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栄養満点の人気者!8月7日はバナナの日

果物のなかでも値段が安く人気者のバナナ。8月7日はバナナの日。この機会に、そんなバナナの意外と知られていない健康効果を見直してみよう。

栄養満点のバナナ!

果物の中でも値段が安く人気者のバナナ。しかし、昭和の初め頃まではおみやげ品として、あるいは病気のときにしか口にできない高級品だった。現代では、スポーツ選手のスタミナ源や、災害時の非常食など、いろいろな場面で利用されているが、それはバナナの高い栄養価が認められているからでもある。8月7日はバナナの日。この機会に、そんなバナナの意外と知られていない健康効果を見直してみよう。

バナナには、ほかの果物と同じく、いやそれ以上にビタミン・ミネラルが豊富といえば驚く人もいるだろう。あの白っぽい果肉と酸味のない味からは想像ができないかもしれないが、ビタミンCもちゃんと含まれているのだ。

栄養成分比較(100g当たり)

バナナ
バナナ
みかん
みかん
りんご
りんご
いちご
いちご
カリウム360mg150mg110mg170mg
カルシウム6mg21mg3mg17mg
マグネシウム32mg11mg3mg13mg
ビタミンB10.05mg0.10mg0.02mg0.03mg
ビタミンB20.04mg0.03mg0.01mg0.02mg
ナイアシン0.7mg0.3mg0.1mg0.4mg
ビタミンB60.38mg0.06mg0.03mg0.04mg
ビタミンC16mg32mg4mg62mg
葉酸26μg22μg5μg90μg

出典:五訂食品成分表

健康効果1:バナナは優秀なエネルギー源!

カロリーが低い割には腹持ちがよいのもバナナの魅力。バナナには、すぐに吸収されてエネルギーに変わるブドウ糖のほか、果糖、ショ糖、でんぷんなど、吸収される速度が異なるさまざまな糖類が含まれるので、エネルギーが長く持続するのだ。スポーツ選手がスタミナ源としてバナナを食べるのも納得。手間がかからないので、忙しい朝にもおすすめ。
また、栄養満点というイメージから、バナナはカロリーが高いと思われがち。しかし、バナナ1個(100g)のカロリーは86kcal。板チョコ1枚(70g)390 kcalの約5分の1、ご飯1杯(150g)252kcalの約3分の1しかない。食物繊維も豊富なので、ダイエット中でもおすすめの食品だ。

健康効果2:バナナは夏バテ対策の強い味方!

夏は汗をよくかき、カリウムが不足しやすい季節。カリウムが不足すると、内臓機能が低下し、食欲不振、だるさ、疲労などを招いてしまう。
バナナは果物の中でも、塩分を排出し血流をよくするカリウムや神経の興奮を鎮めるマグネシウムなどが特に多い。糖類や脂質の代謝を助けるナイアシン、ビタミンB群も豊富なため、夏バテ対策にもぴったりなのだ。

健康効果3:バナナは優れた整腸作用で注目度上昇中!

バナナは優れた整腸作用

近頃、バナナの健康効果として注目を浴びているのが、バナナに豊富な糖質の一種であるオリゴ糖だ。大腸まで吸収されずに達したオリゴ糖は、善玉菌の栄養となる。善玉菌の割合が増えると、腸内環境が整えられるので、便秘や下痢の解消に役立つのだ。 おなかの調子をより効果的に整えたいなら、あまり熟していないバナナを選ぼう。ヨーグルトやハチミツと組み合わせる、あるいは加熱して食べるとよい。

健康効果4:バナナは免疫力を高める!

バナナは免疫力を高める!

バナナの健康効果としてもうひとつ注目されているのが、免疫力アップ作用だ。
帝京大学薬学部薬学博士、山崎正俊教授の研究によると、バナナがTNF(腫瘍壊死因子)という物質を増やすことがわかった。TNFとは、免疫細胞の一種マクロファージが分泌する物質で、これが活性化すると免疫力を高めると考えられている。それだけでなく、がんの治療にも使われている免疫増強剤(OK432)より、その効果が高いという結果を得たそう。
また、そのほかの実験では、熟して黒い斑点(シュガースポット)が増えたバナナのほうが、黄色いきれいなバナナの約8倍も免疫効果が高いとの結果を得たり、がんを移植したマウス20匹を育てたところ、普通の餌を与えた10匹は全部死亡したのに対し、バナナジュースを注射した10匹のうち3匹は完治、死亡した7匹もえさだけのマウスより平均9.1日長生きしたとのこと。
また、金沢大学大学院の大久保一良客員教授らの研究によると、バナナは身近にある食品の中でも抗酸化力が高いそう。特に、筋の部分が抗酸化力が高いのだとか。

健康効果5:バナナは精神安定・ストレス対策にも

カリウム、マグネシウム、ポリフェノールが豊富なバナナは、ストレス対策にもぴったり。そのほか、果物には珍しく、精神を安定させ、睡眠効果のあるセロトニンの材料となるトリプトファンが豊富に含まれている。セロトニンは不足すると鬱病の原因となることでも知られている神経伝達物質だ。寝苦しい日が多い夏は特に睡眠不足になりがち。ストレスがたまってイライラしたり落ち込んだりしやすい、こんな季節にこそバナナなのだ。

公開日:2005年8月1日