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弱った肝臓を修復!お酒好きのおたすけ食材「しじみ」

日本人おなじみ「しじみ」は今が旬!
縄文時代の昔から、日本人の食生活に馴染んできたしじみ。江戸の町には、早朝、しじみ売りが行商に訪れる光景が見られた。「黄疸に効く」「母乳の出をよくする」「寝汗によい」など、各地で経験に基づいたさまざまな健康にまつわる言い伝えがあり、庶民の生活にも馴染んできた貝である。そして、「二日酔いにはしじみ汁」とは、今も言われる健康法だ。

しじみは、利根川河口や宍道湖(しんじこ)をはじめ、北海道から九州まで各地の汽水湖(きすいこ/淡水と海水が混じり合った湖)の河口域に生息している。ヤマトシジミ、セタシジミ、マシジミなどいくつかの種類がいるが、私たちが食べているのは、大半が淡水と海水が混合する汽水域に棲むヤマトシジミだ。ヤマトシジミは、塩分濃度が薄めの5%前後で、水の動きがよく、酸素がたくさんある砂底質(粘土分が少ない湖底や川底)を好む。ところが、最近は、河川や湖沼の汚染や乱獲などによりしじみが減ってきている。昭和40年代には年間5万トン前後もあったしじみの漁獲量が、いまや2万トン弱。消費の半分を中国などからの輸入品に依存する状態だ。

ところで、このしじみには「土用しじみ」「寒しじみ」の2つの呼び名があることからわかるように、旬は夏と冬の2回ある。暑さからついビールを飲み過ぎる人には、今が旬の土用しじみがおすすめ。貝類でも最も味がよく、栄養価も高いしじみの健康効果は、あながち昔の言い伝えだけでもないからだ。

アミノ酸、ビタミン、ミネラル…しじみは栄養の宝庫
しじみにはさまざまな栄養素が豊富だ。その筆頭が、アミノ酸。とくに必須アミノ酸が理想的なバランスで含まれている。また、カルシウムや鉄分、ビタミンB12などのビタミンB群も豊富だ。とくにミネラルについては、他の代表的な貝類と比べてしじみが最も多い。

可食部100gあたりの栄養成分比較(五訂食品成分表より)
  カルシウム ビタミンA(カロテン) ビタミンB2 ビタミンB12
しじみ
しじみ<
130mg 5.3mg 120μg 0.25mg 62.4μg
あさり
あさり
66mg 3.8mg 22μg 0.16mg 52.4μg
はまぐり
はまぐり
130mg 2.1mg 25μg 0.16mg 28.4μg
牡蠣 88mg 1.9mg 6μg 0.14mg 28.1μg
ホタテ貝柱 7mg 0.2mg 0μg 0.07mg 2.0μg

しじみが飲み過ぎによい理由とは?

では、「二日酔いにはしじみ汁」と言われるのはなぜだろうか。最大の理由は、しじみにバランスよく含まれる必須アミノ酸にある。アルコールを飲み過ぎると、アルコールの解毒をうけ負っている肝臓の肝細胞が損傷を受ける。そこで、必須アミノ酸を補給すると、肝細胞の主成分であるたんぱく質が合成され、修復してくれるのである。このとき、ひとつでも含有量が不足するアミノ酸があると、他のアミノ酸がたっぷりあっても、利用効率が落ちてしまうが、しじみはその点で優秀だ。そのうえ、しじみは低脂肪で消化・吸収がよいため、肝臓への負担も小さい。

肝臓の疲労回復を早めるしじみに豊富なミネラルも、たんぱく質の合成を助ける。また、さまざまな研究結果から、アミノ酸のうちタウリンが、肝細胞の再生をうながしたり、肝臓の解毒作用を活発化させることもわかってきた。さらに、しじみの糖質は即効性の高いエネルギー源であるグリコーゲンが主体なので、肝臓の疲労回復を早める。肝臓によいさまざまな栄養成分が豊富に、そしてバランスよく含まれているのがしじみというわけだ。お酒を飲み過ぎたなと思った翌朝は、ぜひしじみ汁を飲んで、弱った肝臓を助けてやろう。


さまざまな病気予防に役立つしじみパワー

しじみが健康によいのは、二日酔い対策だけではない。昔からしじみは重要な漢方薬としても使われてきた。しじみが肝臓によいことは、上記の通りだが、漢方医学では肝臓によいものは目にもよいとされる。肝臓の疲労のために目が弱っている場合は、肝臓の修復と共に目も自然によくなる。

鉄分は、貧血予防や造血に役立つ。ミネラルが豊富なことは、風邪や感染症の予防に役立ち、がん細胞の撃退にもつながる。また、タウリンは、血中コレステロール値を低下させたり、食塩が原因となる高血圧を改善するため、脳卒中や心臓病の予防にも役立つ。つまり、しじみは生活習慣病対策にも欠かせない食品なのである。


もっと!おいしさUPテクニック
しじみは貝類の中でもとくに味がよい。それは、味噌、しょうゆなどの調味料としても使われ、うま味の元となるコハク酸が豊富なためだ。ちなみに、しじみを塩水で砂出しをした後、一晩冷凍庫に置いておくと、さらにおいしくなる。細胞組織の中に閉じ込められたコハク酸が、冷凍によって水分が膨張し、細胞組織が壊れてより出やすくなるためである。一度試してみるのもよいだろう。

しじみといえば味噌汁が定番だが、その他にあさりなど魚介類の料理法をアレンジして、さまざまな楽しみ方ができる。下のイラストを参考に、自分なりに身もまるごと食べて栄養を逃さない食べ方を工夫してみては?

しじみの料理


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