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梅雨の除菌・抗菌対策は大丈夫?

梅雨は、食中毒には十分過ぎるほど気をつけたい季節です。細菌の繁殖を防ぐには、普段から殺菌・除菌の習慣をつけておくのが一番。手軽な除菌のしかたや、さらに最近注目されているグレープフルーツの除菌効果をご紹介します。

キッチンは細菌で汚染されている!?

じめじめした日が続く梅雨の季節に、こっそり家の中で繁殖していくのが、食中毒を引き起こす細菌たち。家庭内のキッチンにおいて、細菌に汚染されやすいのは、食器用スポンジ、台ふきん、シンク、まな板、冷蔵庫の野菜室の底などです。キッチンは、毎日使った後に掃除されていれば、一見きれいですが、黄色ブドウ球菌などの細菌が、意外にもたくさんいるのです。

食中毒の原因となる細菌たち

私たちの身の回りには、目に見えないたくさんの細菌が存在しています。乳酸菌など、人間にとって有用なものもありますが、以下に挙げる、食中毒の原因となる細菌は、繁殖を防がなければなりません

名称 特徴 感染の原因
大腸菌 大腸菌は、人間や哺乳類の腸内に存在します。大半は人間にとって無害ですが、病原大腸菌は、腹痛、下痢、血便などを起こします。重症になると死に至る場合も。 食肉や食肉加工品、井戸水などの飲用水、人間の腸など。
サルモネラ菌 日本では高度成長期以降に急速に増え、今や食中毒菌の代表的存在。低温や乾燥に強く、冷凍庫の中でも生き延びます。主な症状は、腹痛、吐き気、下痢、発熱など。 家畜や家禽の食肉、卵類が主な汚染源。ネズミ、ハエ、ゴキブリ、ペットを介して感染することも。
黄色ブドウ球菌 人や動物の化膿した傷口のほか、健康な人の喉や鼻の中、皮膚、毛髪などに分布。激しい吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などを起こす。まれに発熱。 手作業で作ったおにぎり、サンドイッチ、和菓子、シュークリームなど、調理する人の手から感染します。

食中毒の原因菌を退治するには?

食中毒は多くの場合、次の流れで発生します。

  • (1)肉や魚などの食材の中で、食中毒の原因となる細菌が増殖します。
  • (2)細菌が増殖した食材を、人間が食べます。
  • (3)細菌が人間に感染し、食中毒が引き起こされます。

細菌が中で増殖する食材を扱うキッチンが、最も汚染されている場所なのは当然だと言えます。細菌の増殖を防ぐには、毎日のこまめなお手入れが欠かせません。とくに湿気が多く暑い梅雨の時期は、健康に暮らすためにも、ぜひ除菌の習慣をつけましょう。

●手洗い励行

人間の手にも多くの細菌がいます。調理の前後はもちろん、食材を触った後は、必ず丁寧に手を洗いましょう。手に傷がある場合や傷口が化膿している場合は、食材に感染しやすいため、調理は避けましょう。

●毎日の除菌を習慣に

調理器具、スポンジ、ふきん、まな板などは、台所用洗剤で洗った後、除菌処理をします。おすすめは、熱湯消毒または天日干し、除菌スプレー、アルコール消毒などです。

●シンク、排水口なども清潔に

毎日台所用洗剤で洗い、水気をふき取っておきます。除菌スプレーもおすすめ。

除菌、殺菌の習慣をつけよう!

除菌対策が必要なのは、キッチンだけではありません。黄色ブドウ球菌の感染ルートに、人間の手が入っていることからもわかるように、私たちの手も清潔に保つ必要があります。そもそも人間の皮膚には、さまざまな細菌が住みついています。よく病院ドラマなどで、医師が丹念に手を洗った後、何も触らないように両手を挙げて手術室に入ってくるシーンがありますが、あれは体力が落ちている患者を汚染しないための配慮なのです。

食べ物を触る前後はもちろん、トイレに行った後、外出先から帰った後、手を石鹸などでしっかり洗うことは、除菌のために大切なことです。また、ピクニック などお弁当を持って出かけるときは、除菌作用のあるウエットティッシュを持っていきましょう。ただし、ウエットティッシュには、除菌できるものとできないものがあるので、製品選びに注意しましょう。

公開日:2014年8月11日