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今どきの子どもたちは健康か
まもなく子どもたちの幸福を願う「子どもの日」がやってくる。しかし残念なことに、最近、子どもを巡る悪いニュースばかり耳に入ってくる。気になるのは、子どもの健康や体力について、大人たちの「常識」では考えられない事態を伝える報道の数々だ。子どもたちに何が起こっているのか。この機会に、子どもの健康について考えてみよう。
報道にみる ―― 子どもの体に異変!?
子どもの体をめぐる新聞報道などをいくつか拾ってみよう。
◆「すぐにケガ 今どきの子」2004年1月9日 朝日新聞
1980〜2000年度までの20年間で、生徒・児童の学校・保育園でのケガ発生率が2倍近くに増えている。馬とびの失敗、転んで手をついたときなど、些細なことで骨折する子どもも多い。早稲田大学の鳥居俊スポーツ科学部助教授は、食事のカルシウム摂取量減少に加え、外で遊ぶ時間が少なくなったことを原因として挙げている。
◆「運動する子も体力低下」2004年10月11日 朝日新聞
文部科学省が発表した「平成15年度体力・運動能力調査」によると、20年前と比較し、日ごろから運動をしている子どもでも体力が低下した。山梨大学の中村和彦助教授(発育発達学)は、スポーツクラブなどで運動しているだけでは、「動きに多様性がないことが原因」と分析している。ただし、すばやい身のこなしを覚える能力は向上したなど、体力低下だけに焦点を当てることに疑問を示す研究者もいる。
ちなみに、同調査では、高校生の体力・運動能力には、生活習慣との相関関係が見られるという分析がある。1日の睡眠時間が8時間以上になると、8時間未満より新体力テストの合計点は低い。朝食を毎日食べる群のほうが、食べない群より合計点は高い。つまり、この調査を見る限り、寝すぎと朝食抜きは体力を低下させる、という結果なのだ。
◆「『歩き方』手ほどき 遊ばぬ子に『走る』『跳ぶ』とは」2005年3月18日 朝日新聞
日本体育協会が今年度から「歩く」「走る」「跳ぶ」といった基本動作の身につけ方を子どもたちに提案する事業に乗り出す。「『背筋を伸ばして歩きましょう』などといった、人間として、動物として合理的な体の動かし方を提案する試み」だそうだ。歩き方まで、習わないとできない時代になったのか!?
◆「増える子どもの視力低下」『2003子ども白書』(日本子どもを守る会編・草土文化)
1993年度と1998年度の「学校保健統計調査報告書」を比較すると、裸眼視力1.0未満の子どもが、幼稚園児で20.6%から25.8%へ、小学生で23.8%から26.3%など、低学年でも視力が低下傾向にある。幼児期に視力が低下すると、遠近感や立体感を感じる能力が育たない可能性があるという。
◆「高校生の座高最長 親より"短足"文科省の学校保健統計調査」 2004年12月17日 産経新聞
文科省の平成16年度「学校保健統計調査速報」によれば、高校3年生の身長が、男子が170.8cm、女子が157.9cmで、10年間横ばい。一方、座高は男子91.7cm、女子85.5cmで過去最高になり、10年前から0.2〜0.5cm伸びている。文科省は誤差の範囲と分析しているが、小林寛道東大教授(スポーツ科学)は、肥満傾向の子どもが増え、お尻についた脂肪が座高の伸びにつながったのではと述べている。
虫歯は10年前と比べて半減。喘息は、過去最高に増えた。
異変の原因と対策
●自由に遊べる空間の減少
ドラえもんに登場するような空き地は、もうほとんど見当たらない。遊び場を研究した本はたくさん出ていて、古いものでは、『子どもの遊び空間』(藤本浩之輔NHKブックス)がある。なんと1974年の発行。著者が、大阪市阿倍野区の阿倍野小学校校区を対象に調べた結果、昭和30年ごろまで、田畑や空き地が残り子どもたちの遊び場が豊富にあったが、昭和49年には道路は舗装され、空き地がすっかりなくなってしまった。その後、郊外や地方でも遊び場が減ったことを実感している人も多いのでは?
●遊び場「プレーパーク」の広がり
自由な遊びは子どもたちの身体能力を伸ばし、何をしたらケガをするか経験を通して学ぶことで危機管理能力を高める。集団遊びを通じて協調性を学んだり、想像力や好奇心を刺激し伸ばす作用もある。そんな遊びを大切にしようと、1979年に東京都世田谷区で日本最初のプレーパーク(手作りの遊具などが雑然と置かれ、穴を掘ったり火をおこしたりといった遊びができる場所)ができた。空き地黄金時代の空間には及ばないかもしれないが、今、プレーパークは東北から九州まで全国各地に広がっている。
●自由時間の減少
今の子どもたちは習い事で忙しい。クラスの友達と遊ぶのに電話で予定を確認しなければならない。最初にプレーパークを作った天野秀和さんは、2002年3月18日の毎日新聞で、塾や習い事の時間を気にしつつ遊ぶ子が増えたと述べている。天野さんによれば、子どもは、遊びに夢中になることで集中力を身につける。大人に管理された時間を過ごす子どもは、大人の目を気にして自分を見失う恐れすらあるそうだ。
●"管理しない"取り組み
大人の行き過ぎた管理を見直す動きもある。2004年9月20日の朝日新聞記事によれば、一部の小学校・幼稚園で、チャイムや音楽をスピーカーで流さない取り組みが始まっている。その結果、子どもたちに自主性が芽生えるなどの効果が出始めている。
その他、食生活の変化、夜更かしが増えたこと、大人のストレス過多の悪影響など、さまざまな原因が指摘されている。子どもたちは社会を映す鏡。大人たち自身が生活を楽しむ環境づくりが必要なのかもしれない。
とりあえず、子どもたちと思い切り遊ぶことから始めてはいかが?近所のプレーパークや公園で遊ぶのもよいだろう。ちなみに、万博開催中の名古屋市郊外に、子どもが遊びながら健康、運動と栄養などを学べる「あいち健康プラザ、健康科学展示室」という健康施設がある。愛知万博に行くついでに、親子で立ち寄ってみては?
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