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冬だけ甘いものが欲しくなる――ひょっとして「冬季うつ」?


季節によってうつになる人がいる
うつ病が、誰でもなりうる「心の風邪」と認知されるようになっているのと同時に、この病気の特徴も知られるようになってきた。しかし、うつ症状があっても通常の「うつ病」とは少し違う「冬季うつ」である場合もある。

冬季うつとは、季節性感情障害(SAD)と呼ばれる病気のひとつ。精神科医のノーマン・E・ローゼンタール氏らが、季節によって症状が出る時期と出ない時期があるうつ病患者の研究を行い、1982年に「高照度光療法」という画期的療法で成功を収めた。季節性感情障害という病名がつけられたのは1984年で、冬に症状が出るものが「冬季うつ」と呼ばれる。

とくに日が短くなる冬の間、気が滅入ったり食欲が出てきたり、心身の調子に変化が表れる人が増える傾向があるが、夏は元気なのに冬だけ症状が現れるとしたら、ひょっとすると「冬季うつ」かもしれない。

冬だけこんな症状が出たら要注意!自分でチェックしてみよう。
□以前ならやれた仕事をうまく処理できない
□考えたり、集中する力が明らかに落ちる
□しょっちゅう悲しく、泣けてきてしまう
□自己否定的になる
□普段より睡眠時間が数時間長くなったり、朝起きられなくなる
□一日中、横になって過ごしたい
□炭水化物に偏る食事をコントロールできない、体重が増える

「うつ病」と違うところは?
うつ病
なりやすいタイプ まじめで頼りがいがある、責任感が強い、完璧主義、周囲の人にどう思われているか気にしやすい
原因(きっかけ) 家族やペットの死、親しい人との別れ、失恋、受験の失敗、昇進、転職、転居、結婚、離婚、妊娠・出産、失業、事件・災害の心理的ショックなど
時期 とくになし
症状 心の症状:憂うつになり人生に希望がなくなる、仕事を含め生活全般に対して無気力になる、些細なことから不安に陥りやすい、自分に自信がなくなる、判断力が低下するなど
体の症状:不眠、動悸、頭痛、肩こり、疲れやすい、食欲不振、性欲低下など

冬季うつ
なりやすいタイプ 欧米では女性、日本では男性に多い。近親者にうつ病歴のある人がいるなど
原因(きっかけ) より高緯度の土地への転居、北向きなど光が入りにくい部屋への転居、生活リズムの乱れ、過度のダイエットによる食事の偏りなど
時期 症状が出る時期は個人差があるが、その人の周期はだいたい毎年同じ。夏の終わりから春先までという人もいれば、真冬だけという人もいる。夏は躁状態となり、食欲、睡眠欲が減り、社交的になる人が多い。
症状 炭水化物を多く含んだパンやご飯、甘いものなどを好む睡眠時間が長くなる、性欲低下、人付き合いがおっくうになる、集中力低下、好奇心全般の低下など

両者の大きな違いは、まずは「冬季うつ」のほうは季節が冬季に限られるということと、不眠というよりも過眠になるという報告が多い点だ。また、冬季うつの場合は、炭水化物を多く含んだ食品を食べたくなるという特徴もある。

夏季のうつ病もある

冬に症状が出るタイプだけではなく、夏など他の季節に障害が出る人もいる。その季節がくると、うつ症状が現れる点では同じだが、夏型はうつ期に食欲低下、体重減少、不眠などの症状が出る傾向がある。夏と冬両方に症状が出る人もいる。

冬季うつを治療するには?
高照度光療法上記の情報から、自分が冬季うつかもしれないと思った人は、ぜひ精神科医に相談して欲しい。しかし、もし冬季うつだったとしても、生活の見直しなど自分なりにできることもあるので、参考までに下記に紹介しておこう。

●高照度光療法
冬季うつの代表的な治療法。6〜7割の人は、専用の高照度光照射装置を用いた治療で改善する。2500〜1万ルクスの照度で短時間当たるのが標準的な治療法。

●日光に当たる生活を心がける
冬季うつの症状は、日光に当たる時間が長くなれば軽快する傾向がある。日光があまり射さない部屋に住んでいるなら、日光を取り入れる工夫が必要。可能なら引越しもひとつの方法だ。

●早起きする
人間の体内時計は約25時間のため、朝光を浴びることで、24時間リズムにリセットしている。季節と共に変わる日照時間により、人間の体は調子を変える。冬季うつの人はその季節の変化に強く反応していると言える。冬は特に早寝早起きを心がけ、自分が感じる日照時間を延ばすとよい。

●食事を工夫する
食事冬季うつに限らず、うつ病の原因と指摘されるのが、神経伝達物質であるセロトニン不足である。セロトニンを増やすには、光に当たる、運動をするなどさまざまな方法があるが、食事で増やす方法もある。

セロトニンは食物の中に含まれる必須アミノ酸の一種、トリプトファンからつくられる。肉、魚、大豆などたんぱく質の摂取を心がけよう。トリプトファン吸収には、ビタミンB6が必要なので、ビタミンB6が多いバナナやさつまいも、レバー、青魚なども食べよう。炭水化物中心の食事もトリプトファン吸収を助けてくれる。冬季うつの人が炭水化物を求めるのは、体が欲求しているからなのである。

冬季うつは、いわば冬眠のようなもの。秋になると、動物が冬ごもりの準備をするように心身の調子が悪くなるが、冬が終われば回復し、元気に動き回ることができる。待っていれば、必ず春はくるのだ。


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