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心のストレッチをしよう!認知療法

日常のあらゆるシーンで、わたしたちは不安や悲しみ、憤りを感じたりしながら生きている。その結果、ストレスが生まれ、心身の不調へと発展してしまうことも…。だが、同じ場面に直面しても、こうした感情をあまり感じない人もいる。つまり、ストレスは物事の捉え方次第で増えたり減ったりするということだ。認知療法は、かたよった「認知」(物事の捉え方)を正していくことで、問題のもとになっている感情を改善する精神療法。心の病気にかかっていない人も、ストレス防止対策としてぜひ活用してみよう。

3つのネガティブ・パターン

ストレスがたまると、私たちは次の3つの面において悲観的な感情を抱くようになる。

ネガティブ・パターン

  • ●パターン1:自分に対して悲観的
    「こんなに簡単なこともうまくできない自分は、ダメな人間だ」などと、頭から自分を否定するようになる
  • ●パターン2:周囲に対して悲観的
    「周りの連中も自分のような人間と付き合うのは嫌に決まっている」と思い込み、引っ込み思案になったり、逆に他人を恨んだりする
  • ●パターン3:将来に対して悲観的
    「これから先もいいことなんてひとつもないだろう」と考え、不安感にとらわれる。それが昂じると、自分で自分の命を絶ってしまうことも…

「自動思考」に注目する

上のようなパターンはいずれも偏った考え方であり、けして合理的な反応とはいえない。それにもかかわらず、こうした感情にとらわれた結果、心身や行動に悪影響を及ぼすことはよくある。これを打破するためには、自分がどんな考え方の癖を持っているか、把握することが大切だ。

そこで、チェックしたいのが「自動思考」だ。物事に対し、ぱっとひらめいたイメージや考えを指す心理学用語である。

チェック!あなたの反応パターンは?

あなたの反応パターンは?

例えば、道を歩いているときに、偶然、知り合いとぱったり出会ったとしよう。声をかけたにもかかわらず、相手が挨拶もせず、視線も合わせずに行ってしまったとしたら、あなたはどんな気持ちになるだろうか。

  • (1)「自分は何か怒らせるようなことをしたんだろうか」
  • (2)「誰も自分のことなんて気にかけてくれないんだ」
  • (3)「挨拶くらいすればいいのに。ひどい人だ」
  • (4)「ずいぶん忙しそうだな。大丈夫かな」

(1)〜(3)では、不安や悲しみ、怒りが湧き上がってくるだろう。だが、(4)では、気遣いの気持ちしか生まれない。このように、自動思考次第で気分はかなり変わるものなのだ。

認知療法にトライ!

それでは、具体的にどのように考え方を変えていけばよいのだろう。

  • ●STEP1:ストレスに気づこう
    気持ちをラクにするためには、ストレスがどのくらいたまっているかを知ることが大切。気分が憂うつかどうか、人付き合いが億劫になっていないか、不眠や食欲不振、そのほか体調不良がないかなどをチェックしよう。
  • ●STEP2:問題をはっきりさせよう
    ストレスのもとになっている問題に目を向けよう。過去や他人を恨んでも始まらない。まずは、気になっていることを挙げてみて、それらを解決するための具体的な目標を立てるとよいだろう。
  • ●STEP3:バランスのよい考え方をしよう
    問題解決を早めるためには、偏った考え方をやめ、柔軟で現実的な思考に変えることが重要。そのためのプロセスは次の通りだ。

以下の項目を紙に書き出してみよう

  • 1.その場の状況
  • 2.そのとき感じた気分や感情
  • 3.その瞬間、浮かんでいた考え(自動思考)
  • 4.自動思考を裏づけ、根拠となるような事実
  • 5.自動思考をくつがえすような事実
  • 6.上の項目から考えられる、より視野を広げた、バランスのよい考え方(適応思考)
  • 7.考えを変えた結果、気分がどのように変化したか

この作業をおこなうことによって、あなたは次第に自分の考え方の癖「スキーマ」に気づくようになるだろう。スキーマとは言い替えれば、心の奥底に眠っている思い込み。「自分はダメな人間だ」「すべての人に愛されなくてはならない」「他人はみんな自分を利用しようとしている」などだ。自動思考は、このスキーマから生まれてくるのである。

考え方をスイッチしてストレスに強くなろう

考え方をスイッチ

こうして、自分の心について客観的に知ることができたら、実際に直面している問題や、人間関係のこじれを解決することも可能になる。最終的には、スキーマそのものも克服することができるに違いない。

問題は、ストレスを抱えている「あなた」にあるのではなく、「あなたの考え方」にある。人を変えることはできないが、考え方を変えることは可能だ。ストレスがたまっているな、と感じたら、ぜひ認知療法で自分の心をコントロールしてみよう。

更新日:2004年11月8日

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