疾患・特集

ヒヤリ!ドッキリ!とっさの救急法

思いもよらない、突然の事故。こんなとき、ついあわてふためき、右往左往してしまう人も多いのでは?あらかじめ応急処置を心得ていれば、落ち着いて対処できるはず。家庭内で起こる、身近なトラブルの救急法を知っておこう。

のどに物がつまった!
…子どもやお年寄りにありがちの事故

  • ●顔を横に向けさせ、口をあけて調べる。このとき、指にハンカチなどを巻いてケガをしないように防御を。
  • ●相手の頭を胸より低くし、片方の手のひらで胸を支える。さらにもう片方の手のひらの下のあたりを使って肩甲骨と肩甲骨の間をすばやく4、5回叩く。万が一意識がないときは、すぐに救急車を!

咳が出ている場合はそのまま続けさせ、異物が自然に出るのを待とう。

ペットにかまれた・ひっかかれた!
…ネコやハムスターによる感染症にご注意!

  • ●水道の流水と石鹸で傷口をよく洗う。
  • ●腫れていたら、水で湿らせたタオルや氷のうで冷やす。出血が激しいときはガーゼやハンカチで傷口を強く圧迫し、まずは止血を。
  • ●オキシドール、ヒビテン液などの消毒液で消毒し、ガーゼで保護する。

ネコやハムスターによるケガは、リンパ節が腫れる「ネコ引っかき病」や、発熱などが起こる「鼠咬症(そこうしょう)」といった病気に発展する恐れも。犬にかまれた場合は、傷が見た目より深いこともあり、化膿する危険があるので要注意。いずれの場合も早めに医療機関へ。

目に異物が入った!
…水で洗い流すのが基本

  • ●目を閉じて数回まばたきをし、涙とともに流す。子どもの場合は目頭を指で押さえると涙が出やすい。
  • ●洗面器に水をはり、顔をつけてまばたきを繰り返す。

化学薬品の場合は、水道水ややかんの流水、シャワーなどの多量の水で洗い流そう。
とがったものが入った場合は角膜を傷つける恐れがあるため、家庭では処置しない。ガーゼなどで目をおおい、すぐに眼科へ!

耳に異物が入った!
…子どもがいたずらして取れなくなってしまうことも

耳に異物が入った!

  • ●耳を下に向け、うしろ上方にひっぱりながら頭の反対側を軽く叩く。

虫が入ったときは、暗い場所で耳をうしろ上方に引っ張り、懐中電灯で照らして虫が出てくるのを待とう。
水が入ったときは、入ったほうの耳を下にして片足で飛び跳ねる。または綿棒で水分を拭き取ってもよい。

釘やとげが刺さった!
…古釘の場合は感染症を警戒して

釘やとげが刺さった!

  • ●引き抜いて消毒液で消毒を。その後、ガーゼや清潔な布で覆う。とげがなかなか抜けないときは、5円玉か50円玉の穴を患部に押し当てると抜きやすい

釘のばあいは傷が深い場合が多く、感染もしやすいので、念のため受診を。

感電した!…老朽化した電気器具、コンセントのいたずらが原因に。電流が強い時は危険!

  • ●すぐに電源を切る。
  • ●耳もとで呼びかけたり、軽く肩を叩いたりして、意識があるかどうか確認する。
  • ●首をねじらないよう、注意しながら下あごを持ち上げ、気道を確保する。
  • ●鼻や口に耳を近づけ呼吸の有無を調べ、息がないようなら、人工呼吸や心臓マッサージをおこなう。意識や呼吸があれば、安静に寝かせ、救急車を待つ。

見た目は元気そうでも、内臓にダメージを受けていることが。すぐに受診しよう。

やけどした!…とにかく冷やそう

やけどは、大人で体表の20%、子どもやお年寄りだと体表の10%に及ぶと生命の危険があると言われている。

  • ●患部を刺激しない程度の強さで水道水をかけ、十分に冷やす。めやすは10~15分。痛みや熱さを感じなくなるまで続ける。
  • ●冷やしたら、薬などは塗ったりしないこと。ガーゼなどで覆い、ただちに医療機関を受診。

服の上からのやけどなら、衣服の上から流水をかける。衣服を脱がせようとすると、癒着している皮膚をはがしてしまうことがあるので注意。
化学薬品によるやけどは、皮膚がはがれたりするので、無理に拭いたり刺激を与えたりしない。流水で患部を洗い流し、ガーゼで覆う。ただし、生石灰やマグネシウムがかかった場合は、水に反応すると熱を生じるので絶対に水をかけないこと。粉をはらい、医療機関へ。

鼻血が出た!…上を向くのはタブー!

鼻血が出た!

  • ●やや下を向いて鼻の下のほうをつまみ、3分ほど待つ。
  • ●脱脂綿をつめ、鼻の上部を冷やす。あおむけになったり、首の後ろを叩くのはタブー!鼻をかむのもよくない。

大人の鼻血は、動脈硬化や高血圧、糖尿病などが原因の恐れも。

心臓マッサージをマスターしよう

心臓マッサージ

STEP1:圧迫部位を探す

患者の肩の辺りにひざまづき、下半身側にある手の人差し指と中指をわき腹に乗せる。肋骨の一番下のふちから肋骨に沿って胸の真ん中に指を移動させていくと、縦に走る胸骨の下端にあたる。ここが肋骨と胸骨の交差するくぼみの部分。中指をこのくぼみに置いたとき、人差し指のある胸骨の真上が圧迫部位となる。

STEP2:マッサージをおこなう

圧迫部位に片方の手のひらの付け根を置き、もう一方の手のひらを上に重ねて指を組む。真上から体重をかけて垂直に圧迫する。続いて胸に手のひらをつけたまま力を抜く。肘は曲げず、指先をそらせて。1分間に100回くらいのペースがベスト。

公開日:2004年5月10日