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BSE(牛海綿状脳症)を知ろう!


騒動の発端は?
牛の奇妙な行動 世間を騒がせているBSE。いったいどんな病気なのだろうか?
1980年代半ば、英国のとある農場で飼われていた牛に、奇妙な行動が見られるようになった。まっすぐ歩くことができず、足をもつれさせて座り込んだり、攻撃的になったり…。あきらかに異常な様子から、人々はこの病気を「mad cow disease(狂牛病)」と呼んだ。

病気にかかった牛たちは発症後、ほぼ半年以内に死亡。死んだ牛の脳を調べると、小さな穴がスポンジ状に空いており、これが原因で運動神経に障害が起きていたことがわかった。そこで正式につけられたのが、牛海綿状脳症(BSE)という名称。やがてイギリスを発端に、ヨーロッパやカナダ各地で同様の病気にかかった牛が出現し、騒ぎはますます大きくなっていった。

発生した理由は?
この病気の原因となったのは、「プリオン」という異常たんぱく質。プリオンは正常なたんぱく質を異常型に変えてしまう。プリオンによって異常化したたんぱく質が脳に蓄積すると、そのダメージがスポンジ状となってあらわれるのだ。

プリオン では、いったいなぜプリオンは牛の脳に発生したのだろうか?一説によると、その原因は、配合飼料に含まれた「肉骨粉」ではないかといわれている。

牛は本来、牧草を食べる動物だが、成長までに長い時間がかかるため、高たんぱくな肉骨粉が牛の配合飼料として広く流通している。英国では羊の肉骨粉がよく使われていたが、この中に「スクレーピー」というBSEによく似た病気に冒された羊肉が混ざっていた、というのだ。しかし、BSE発生の原因は、このほかにも「突然変異説」なども唱えられており、はっきりしたことはわかっていない。

BSEってどんな病気?
特徴は?・・・潜伏期間が長く、発症すると死に至る
・潜伏期間が、2〜8年と長期にわたる
・次第に進行し、2週間から6ヶ月で死亡する
・英国では3〜6歳牛に多い

症状は?・・・元気がなくなり、運動機能が低下。攻撃的になるなど性格も変化する
・神経過敏になったり、攻撃的になる、元気がなくなる、乳が減る
・体重が減る、異常な姿勢をとる、立ち上がれなくなる

感染ルートは?・・・現在調査中
有力な説は、病気に汚染された肉骨粉をふくむ飼料が流通し、感染が広がっているとされている。しかし、まだはっきりとしたことはわかっていない。空気や接触による感染は起こらない。

人間には影響がある?
心配されているのが、クロイツフェルト・ヤコブ病(異型クロイツフェルト・ヤコプ病)の発症だ。クロイツフェルト・ヤコブ病とは、BSEと同様、異常なプリオンたんぱくが原因で起こる脳の疾患だ。以前から存在する病気で、平均発症年齢は60歳以上。発症率も100万人に1人ときわめて低かった。ところが、BSE騒ぎの渦中となった英国で、1994〜1995年にかけ、若者を中心とする10人の患者が出現。そのため、BSEに感染した牛を食べたためではないか、という疑いが広まったのだ。

?クロイツフェルト・ヤコブ病とは
初めは抑うつ、不眠、記憶・判断力の低下、行動異常が見られる。そのうち、痴呆症状が進み、音や刺激に敏感になるなどの変化も。やがて四肢の筋力低下、震え、歩行障害が起こりやがては昏睡状態に陥り、発症から1〜2年以上で死に至る。
 

安心して牛肉を食べるには?
「牛肉を食べるとクロイツフェルト・ヤコブ病にかかる」と考えるのはやや早まった考えだ。理由は次の3つ。

理由その1 危険なのは「特定部位」
サルや人間に比べ、感染に弱いとされるマウスを使い、繰り返し実験をおこなったところ
危険とされる「特定部位」は脳、脊髄、目玉、回腸遠位部(小腸の先端部分)であること
がわかった。そのほかの部分を食べても、感染する可能性はきわめて低いとされる。

理由その2 牛と人間の間の「種の壁」
人間が牛の異常プリオンを食べたとしても、感染の危険性は牛同士の場合にくらべるときわめて低い。牛と人間の間には、遺伝子上の障害「種の壁」があるため。

理由その3 日本では「全頭検査」をおこなっている
日本では、食肉処理されるすべての牛を対象にした「全頭検査」をおこなっている。

さらに牛乳、乳製品もWHOにより安全が確認されている。また、食用牛脂も危険な部位以外の原料により、食品衛生法に基づく許可を得た施設でつくられているため、問題はないというのが厚生労働省の見方だ。今後、安心して牛肉を食べるために、ニュースなどの情報はきちんとチェックしたいもの。あまり過敏にならず、冷静な対処を心がけよう。
<参考サイト>
厚生労働省「牛海綿状脳症(BSE)関係
農林水産省「牛海綿状脳症(BSE)関係

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