痛風は、男性に圧倒的に多く、なかでも40~60代の働き盛りの男性に多い。肥満、食生活、運動などにその傾向が現れるようだ。まずは、痛風予備軍度をチェックしてみよう。
さて、あなたの痛風予備軍度はどのくらいだろうか?以下の質問に答えてみよう。あてはまる項目が多いほど、痛風予備軍度が高いので要注意!それぞれの項目に解説をつけておいたので、気になるところは確認しておこう。
血液中の尿酸の濃度には男女差があり、男性の方が高い。そのため、痛風にかかる人は男性100人に対して女性1~2人と、圧倒的に男性が多い。ちなみに、女性の尿酸値が上がらないのは、女性ホルモンが尿酸を排泄するからだと言われている。したがって、女性も女性ホルモンが減少する更年期(閉経後)には注意が必要だ。
痛風になる人の2人に1人は肥満だとも言われている。これは、太った人が肉類やこってりしたものなど、高エネルギー食を好む傾向にあるからだ。これらの動物性たんぱく質の摂り過ぎが、尿酸のもととなるプリン体を体内に増やす原因になる。
また、太った人には汗かきが多いことも尿酸値を高める原因。尿酸は汗の中にはあまり排出されず、大部分が尿として体外に排出される。しかし、汗をかくと尿が減ってしまい、尿が濃くなって酸性に傾き、尿酸がとけにくくなってしまうのだ。
肥満はすべての生活習慣病につながると言っても過言ではないので、まずは肥満を予防しよう。
アルコールの中でもとくにビールにはプリン体が多く含まれているため、ビール好きの人は痛風になりやすい。
また、アルコールは体内で尿酸をたくさんつくるのと同時に、腎臓でも尿酸の排泄機能を低下させてしまう。痛風発作を起こすのは、ビールの消費量が圧倒的に多くなる夏と、年末年始に多いとされている。お酒もほどほどにしておこう。
痛風を発症する年齢は40~50代が多い。男性の場合、尿酸値は思春期に急激に上昇し、頂点に達する。思春期を過ぎてから過食や飲み過ぎをしてしまうと尿酸値はさらに上がってしまうのだ。バリバリ働いて接待や宴会などでお酒を飲む機会が多い人はとくにかかりやすいので、気をつけよう。
しかし、最近では30代でも高尿酸血症を発症することもあり、年々若年化しているので、油断は禁物。
尿酸のもととなるプリン体は、体内でつくられるものに比べれば食べ物から摂取する分ははるかに少ない。しかし、それでも高尿酸血症の人の食生活を見てみると、プリン体を多く含む食品をよく食べている傾向にある。とくに、鶏や豚のレバー、白子、えびの卵など酒の肴になる珍味といわれるものはプリン体を多く含んでいる食品が多い。
また、「肉を避けて、魚を食べればいいんじゃない?」と思って刺身などを食べる人がいるが、かつおやまぐろ、えびやいかなどはプリン体も多く、食べ過ぎには注意したい。
極端な食事制限をする必要はないが、偏った食事を改めバランスよく食べるようにしよう。
ストレスがたまっている時や疲労で疲れきっている時などには尿酸値が上がり、痛風発作が起こりやすくなる。なぜ、ストレスが尿酸値を上げるのかはまだ明らかになっていないが、一説にはストレスを受けると腎臓の血管が収縮して尿量が減少し、尿酸の排泄機能が低下すると考えられている。
肥満を解消しようと急激な運動をしたら、痛風発作に襲われた、なんていうことがある。
急激に筋肉を使う無酸素運動を行うと尿酸の産生量が増加するのとともに、尿酸が体内にたまって尿酸の排泄機能が低下してしまう。そのため、尿酸値がどんどん上昇してしまう。
腕立て伏せや腹筋、背筋運動などの筋肉トレーニングや、テニスやサッカーなど走り回る運動、短距離走や重量挙げなどの瞬発力を必要とする運動には十分注意しよう。
しかし、「痛風になったらスポーツをしてはいけない」ということではない。むしろ、肥満防止のためにも適度な運動を心がけよう。また、有酸素運動であれ、汗をかくと尿酸値は上がるので、運動後はたっぷりと水分を補給すること。ただし、運動後のビールは禁物。
痛風は遺伝する病気だと思われているが、明らかに遺伝的要素をもって発症するのは1割未満だと言われている。
痛風の場合、遺伝というよりは、食生活や生活習慣などの環境因子が、家族で似ているため、親子で痛風になることがあるようだ。家族に痛風患者がいる場合には、まず生活習慣を見直そう。
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