疾患・特集

長寿と健康を祈って、メリークリスマス!サンタの国の健康法

クリスマスといえば、サンタクロース。サンタクロース村のあるフィンランドの健康法とはどのようなものでしょうか?サウナ、キシリトールなど、実は日本でもおなじみです。

「サンタクロース」って誰?

12月25日はクリスマス。クリスマスという言葉は「キリストのミサ」という意味で、キリストの降誕を記念する日として、世界中で大きな祭りが行われている。
キリストが生まれた日は、実は聖書にも書いていない。12月25日をキリストの生まれた日とし、クリスマスと定めたのは、キリストの死後350年経ってからのこと。それまでは、1月6日、2月2日、3月25日、4月19日、5月20日、11月7日など様々な日があげられていた。

クリスマスの日、子どもたちにプレゼントを配って歩くおじいさんとして親しまれているのがサンタクロース。元々は3世紀に実在した聖ニコラス(St.Nicolas)がいつのまにかサンタクロースと呼ばれるようになったと言われている。聖ニコラスは紀元280年、小アジア(現在のトルコ)に生まれ、341年に亡くなった。司教となったニコラスは特に子どもたちのために数々の奇跡を起こしたことから、今も子どもたちを守ってくれる守護聖人として慕われている
サンタクロースの呼び方は国によってもさまざま。アメリカやイギリスでは「サンタクロース」、ドイツやオーストリアでは「サンクト・ニコラス」、オランダでは「ジンテル・クラース」と呼んでいる。

サンタクロース

聖ニコラスが今日のサンタクロースのような赤い頭巾のついた外套を着て、白い髭をはやし、丸々と太った老人の姿になったのは、19世紀のドイツの画家モーリツ・シュヴィントが描いたのが始まりだとか。このサンタクロースのイメージは、やがて世界中にひろまり、北の北極圏に住みトナカイのそりにのって、クリスマス・イブの夜、世界中を駆けて、子どもたちにプレゼントを配っていると考えられるようになった。
子どもたちの「サンタクロースに会いたい!手紙を書きたい!」という強い願いに応えて、フィンランドにはサンタクロース村がある。子どもたちへの手紙の返事を書いたり、電話の応対をしたりと1年中サンタクロースが大忙しで仕事をしているという。

サンタクロースの国・フィンランド健康法

北欧の国・フィランドは国土面積33.8万平方キロ(日本の本州+北海道+四国くらい)の約10%が湖沼で、陸地の70%を針葉樹林が占めているという「森と湖の国」。
サウナ、キシリトールなどが日本でもおなじみだが、フィンランドの健康法の一部をご紹介しよう。

サウナ

フィンランド人の毎日にサウナは欠かせない。約510万の人口に対してサウナの数は160万個を数えるとも言われている。つまり一家に1個サウナがある計算になる。いわば、フィンランド人にとってサウナは日本人にとってのお風呂。サウナには裸で入り、1日の疲れを癒したり、家族とのふれあいのために用いられる。また、日本人が温泉地に旅行に出かけるように、フィンランド人も、湖畔にサウナを持つコテージを宿泊先として選ぶ。ホテル内などの公衆サウナは、男サウナ・女サウナと分かれている。
また、サウナはフィンランド人のクリスマスにとっても特別な意味を持っている。昔フィンランド人はサウナでお産をしていたが、これがキリストの降誕と結びつき、クリスマスにはサウナで身を清めるようになった。フィンランド式サウナの入り方は以下の通り。

フィンランド式サウナの入り方

  • シャワーを浴び、体の汚れを落とす。
  • サウナに入り、体を温める。2段式になっていて上の方が高温。サウナストーブに時々水をかけながらベンチに座って汗を出す。
  • 白樺の小枝で皮膚をパシャパシャ叩き、刺激する。
  • 十分に温まったら、外に出てプールや湖で体を冷やす。
  • サウナに戻り、再び体を温め発汗を促す。
  • 暑さにのぼせない程度にサウナとシャワーを繰り返す。
  • サウナを使用した後は、十分に水分を補給してリラックスする。

キシリトール

キシリトールは樺や樫などの樹木からとれるキシラン・へミセルロースを原料とした甘味料で、多くの野菜や果物に含まれている天然素材だ。カロリーは砂糖の3/4程度だが、甘味度は砂糖と同等にある。
キシリトールにある「う蝕予防効果」は、1975年にフィンランド・トルク大学のカウコ・K・マキネン教授により発見された。キシリトールは口の中の細菌による発酵を受けないため、虫歯の原因である「酸」を作りにくいことや、ミュータンス菌(虫歯原因菌)の活動を弱め、歯垢(プラーク)の増殖を抑える効果が期待できるとされている。
かつてフィンランドは虫歯大国だったが、医療費抑制のために国家を挙げて虫歯予防に乗り出した結果、歯磨きや規則正しい食生活習慣、歯の定期健診などの徹底に加え、キシリトールを利用することで、虫歯にかかる率がかなり低くなっているという。

スパホテル

「スパ」とは、肉体的・精神的な健康増進と、心身のブラッシュアップとをはかるための総合的施設のことで、各種マッサージ・指圧・アロマテラピーや、ビューティケアとして髪・顔・ボディの各種トリートメントなどを行っている。
フィンランドでは大規模なスパ施設がいくつかあり、広く親しまれている。フィンランドのスパの特長は医師がついていること。高齢者や病気の人も、医師に診てもらいながら安心してスパを楽しんでいる。

食事

フィンランドの食卓には豊かな自然があふれている。森でとれるベリー類やきのこ、海や湖からは様々な魚、狩猟シーズンにしとめたヘラジカや鳥、短い夏の間に収穫した野菜などなど。
フィンランド人の食生活には特に魚が欠かせない。シャケ、マス、タラ、ウグイ、カマスなどが多く食べられている。
サンタクロースのそりを引くトナカイも、フィンランドでは重要な家畜。牛肉などに比べ栄養価が高く、栄養素のバランスも良いので、特に北極に近い、厳しい自然の中で生活する人々にとっては大切な食料源だ。
野菜はサラダにして食べることが多く、ニンジン・カブ・ズッキーニなどを賽の目に切り、トマトソースや 生クリームソースで和えたサラダが代表的だとか。

公開日:2002年12月16日