疾患・特集

表面化させない、濃くしない、シミ対策

シミの原因になるうえ、できたシミを悪化させるはたらきもある美肌の天敵・紫外線。その紫外線対策と、シミをつくらない&濃くしないための対処法を、食事と生活のふたつの側面からご紹介します。

シミ対策の第一は紫外線ブロック

潜在シミを表面化させないためにも、できたシミをそれ以上目立たせないようにするためにも、欠かせないのは紫外線対策。特に、紫外線量がピークとなる正午頃は要注意。戸外へ出るときは帽子や日傘、サングラスなどで対策を。近頃よく見かけるようになったUVケア加工の衣服を身に着けるのもおすすめだ。
また、顔などに使われる化粧品類では、「SPF30」などと書かれたUVケア用品があるが、これには次の通り2種類のタイプがある。覚えておくと便利だろう。

UVケア(サンスクリーン)用品の種類とはたらき

紫外線散乱剤 肌の表面で紫外線を散乱させ、紫外線をブロックする。一般的には、紫外線吸収剤より肌にやさしいとされている。
紫外線吸収剤 紫外線を薬剤に吸収させることで、肌への侵入を防ぐ。

さらに、今や毎日のスキンケアなどに欠かせない存在となっている美白化粧品。これにも作用によって、次の3種類がある。
いずれも、使い心地とともに、自分の肌に合ったものを選んで使いたい。

美白化粧品におけるメラニン対策の種類

タイプ よく知られる成分
メラニンの生成を抑える アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、ビタミンC
メラニン色素を還元する ビタミンC
新陳代謝を高め、メラニン色素の排泄を促す プラセンタ

シミの段階に合わせたケア方法

「今はできていなくても、潜在シミはきっとあると思う」。そんな、日焼け経験のある人がほとんどではないだろうか。そこで、シミの段階に合わせたケアの方法を、食事と生活のふたつの面からご紹介しよう。

シミレベル:シミはないが、潜在シミが気になる

新陳代謝を高め、肌を健やかに保つことがケアの基本。

食事面での対処法

  • 女性ホルモンのバランスを整え、血行を促進。真皮の新陳代謝を促すビタミンE、体の老化=酸化を防ぐはたらきをするビタミンB2βカロテンを過不足なく摂る。
  • メラニンの生成を抑え、肌の弾力や潤いのモトとなるコラーゲンの体内での合成を促進するビタミンCを摂る。
  • 肌を整えるリジン、肌の弾力や潤いを保つコラーゲンを含む食物を積極的に摂る。
  • 体内で酸化して過酸化脂質になりやすいリノール酸などの不飽和脂肪酸の多い食品を控える。
  • ケーキやジュース類などの糖分を控える。

生活面での対処法

  • 十分な睡眠を取る。特に、肌の新陳代謝が活発になることから「美容睡眠」といわれる夜10時~午前2時は、睡眠に当てたい。
  • 強くこするなどの強い刺激を肌に与えない
  • ニキビや吹き出物などの肌トラブルは、できるだけ早く治す。
  • シャワーだけで入浴をすませない。シャワーだけでは血行が悪くなりやすく、肌がくすみやすくなる。
  • ストレスをためない。ストレスは体内の活性酸素を増やすとともに、メラノサイト刺激ホルモンの分泌が促され、メラニンの生成を増やしてしまう。

シミレベル:日焼けしてしまった!または、うっすらとくすんだように見える部分がある

上記の食事と生活が基本。そのうえで、次のことを実行しよう。

食事面での対処法

  • ビタミンCの摂取量を多めにする。ビタミンCは多量に摂っても副作用がほとんどなく、効果的。

生活面での対処法

  • 日焼け直後は、クールパック。ご存知の通り、日焼けは一種のヤケド。冷たいタオルなどでとにかく炎症が治まるまで十分に冷やすことが第一。炎症が治まったら、たっぷりの保湿と美白化粧品などによるシミケアを。
  • うっすらとくすんで見える原因は、肌に汚れが残っていたり、乾燥している場合も。ダブル洗顔などで汚れをしっかり落とし、保湿性の高い化粧水などを。また、血行が悪くなっていることもあるので、暖かいタオルと冷たいタオルを交互に顔に当てる冷温タオルパックで血行をよくするのもオススメ。
  • ビタミンCは、素肌にも効果的。ただし、天然のビタミンCは肌から吸収されにくいため、吸収されやすいカタチで配合された化粧水などでパックを。
  • 美白化粧品やエステを根気よく試す。
  • 皮膚科の病院を受診する。

シミレベル:シミとはっきりわかる部分がある

上記の食事と生活をベースとして続ける。ときには数年がかりと時間はかかるが、少しずつ薄くなる場合が多い
どうしても気になるようなら、皮膚科または美容整形外科の病院を受診。レーザー治療といった外的治療の道もある。

注目されるβカロテンなどの抗酸化食品

美肌のためのビタミンといえば、真っ先に思い浮かぶのがビタミンCだろう。これは正解。ビタミンCは、メラニンの生成を抑え、メラニン色素を還元してと、シミにとても有効な存在。シミ対策の大きな柱といえるものだ。だが、ビタミンCのはたらきは、これだけにとどまらない。さらに優れている点は、体の老化=体内の酸化を抑える抗酸化作用があること。
体は、不安や悩みなどのストレス、睡眠不足、喫煙などによって体内に活性酸素が増えると老化が促進されてしまう。もちろん素肌も例外ではない。体そのものの老化をできるだけ抑えることが、シミのない美しい肌のためにも大切なのだ。

こうした点から注目されるのが、βカロテンをはじめとする抗酸化物質(スカベンジャーとも呼ばれる)。多く含まれる食品の例を挙げてみると…。

βカロテン

  • ●βカロテン
    ニンジンやカボチャ、青菜などの緑黄色野菜に多い。
  • ●アントシアニン類
    赤ワインやブルーベリー、ココアなど。
  • ●リコペン
    トマト、スイカなど。

また、特に女性に不足しがちな「鉄」(レバーやひじき、しじみなどに多い)、肌の新陳代謝に欠かせない「亜鉛」(ごま、大豆、くるみなどに多い)も、適量をきちんと摂取していこう。

公開日:2002年9月2日