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有機農産物表示はこうみる!

「有機」や「無農薬」と書いてあると、農薬を使っていないから体にいい!と思い、少しくらい値段が高くても購入する方も多いかもしれません。でも、一見似ているようでちょっと違いがあります。

そもそも「有機農産物」って?

スーパーで売られている野菜や果物に「有機農産物」「無農薬」などの表示があるものと、表示のないもの。あなたならどちらを購入するだろうか。
「有機」や「無農薬」と書いてあると、農薬を使っていないから体にいい!と思い、少しくらい値段が高くても購入する方も多いだろう。でも、一見似ているようでちょっと違いがある。

そもそも、農薬や化学肥料を使わない農法を日本では「有機農法」という。アメリカやヨーロッパでは、オーガニックと呼ばれる。
しかし、農産物の表示を見ると、「無農薬」「減農薬」などの表示があるものがある。これらは、「有機」とはどう違うのだろう?
以下に、そのガイドラインをまとめた。

どこが違う?

  • ●無農薬栽培農産物
    化学合成農薬を使用せずに栽培して収穫した農産物
  • ●無化学肥料栽培農産物
    化学肥料を使用せずに栽培して収穫した農産物
  • ●減農薬栽培農産物
    化学合成農薬の使用回数が当該地域で使用されている回数のおおむね5割以下の栽培方法によって生産された農産物
  • ●減化学肥料栽培農産物
    化学肥料の使用回数が当該地域で使用されている回数のおおむね5割以下の栽培方法によって生産された農産物

つまり、「有機」「オーガニック」は、農薬も化学肥料も使っていないが、「無農薬」は化学肥料を使ってもいいし、「無化学肥料」は化学合成農薬を使ってもいい、ということになる。これらから判断すると、「有機」「オーガニック」という表示がいちばん安全で健康によいような気がする。
でも、この表示だけでは「本当にそうだろうか?」と疑ってしまうこともある。そこで、もっと安心できる表示が欲しい!という方のためにあるのが「JASマーク」なのだ。

「有機JASマーク」を確認

有機JASマーク

このようなマークをみたことはないだろうか。
これは、「有機JASマーク」と言われるもの。農林水産大臣に登録した登録認定期間による検査を受けて「認定」された農産物に限り、はじめて許可されるマークである。

どのような検査基準があるのか?というと、新JAS法の中で有機農産物は、

「化学的に合成された肥料および農薬の使用を避けることを基本として、播種または植付け前2年以上(多年生作物なら最初の収穫前3年以上)の間、堆肥などによる土づくりを行ったほ場において生産された農産物」と定められている。つまり、3年以上農薬や化学肥料を使わなかった畑や田んぼでつくった農産物、ということだ。

つまり、このマークがついている農産物は、かなり厳しい検査をクリアしてきたものだけ、ということになる。このマークは安心のマーク。このマークがないのに「有機」表示のあるものは、法律違反なのだが、「無農薬」「無化学」などの表示はされていることがある。これは違反ではないが、やはりマークがある「有機農産物」を選ぶのが確かだろう。

有機農産物の加工食品もOK

「有機」の表示は、農産物だけでなく、その加工食品にも適用される。その定義は、

「原材料である有機農産物の持つ特性が保持され、化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用を避けることを基本として製造された加工食品。食塩および水の重量を除いた原材料のうち、有機農産物以外の原材料が5%以下であること」というもの。

例えば、しょうゆ、みそ、パン、めん、豆腐、ケチャップなど、農産物を原料にした加工食品の場合も、有機農産物以外の原材料が5%以下なら、有機JASマークがつけられるのだ。ただし、加工の工程で食品添加物を使用している場合は、有機表示はできない。
加工食品でも「有機JASマーク」がある食品を選びたいものだ。

公開日:2002年2月25日