疾患・特集

もっと入浴を楽しむために

ぬるめのお湯にゆっくりと入るのも気持ちがいいものですが、いつも同じお風呂にばかり入らずに、ちょっと違う入浴を楽しむのもいいでしょう。例えば、全身浴ばかりではなく部分浴にしてみる、香りのある風呂を楽しむなど。いろいろな入浴法をご紹介します。

お湯の温度を目的にあわせて選ぶ

ぬるめのお湯にゆっくり入ります。それもリラックスするのにはいいのですが、目的によっては熱いお湯に入ったほうがいいこともあります。目的に合わせた入浴方法を選びましょう。

  • ●ぬるめの湯にゆっくりと入る
    ストレスの解消、リラックス、肩こりの解消、寝つきがよくなる、二日酔いの解消
  • ●熱い湯にさっと入る
    目覚めをよくする、腰痛、生理痛、胃酸過多、気分を高める、冷え症の解消

全身浴と部分浴

肩までつかって入ったり、足だけ入る、など入浴の方法もさまざまです。日本人は肩まで入る全身浴が多いのですが、時と場合にあわせて部分浴を取り入れると、なお健康になれるでしょう。

半身浴

半身浴

ご存知のとおり、ぬるめの湯に体の半分だけつけてゆっくりと入る方法です。全身浴に比べて心臓への負担が少なく、長く入ることで新陳代謝を促し、血行をよくします。冷え性解消にピッタリです。もし、寒いと感じるなら、肩にタオルをかけましょう。

座浴

おしりだけ入浴する方法。あまりなじみはないかもしれませんが、月経不順、便秘、膀胱炎、痔疾などに効果的です。バスタブに20cmくらいお湯をため、5~10分温まります。大きめの洗面器でもOKです。

足浴

足浴

足がむくんだとき、立ち仕事で足がだるいときなどに効果的です。また、冷え性の人は足先の血液の循環がよくなります。洗面器にお湯を入れて10~15分ほどつけます。イスに座って行うと楽です。

手浴

手や腕、肩などが疲れたり凝ってしまったときにおすすめです。熱めのお湯を洗面器に入れ、5~10分手首の上までつけます。お湯の中で手をマッサージしたり、手のツボを押したりすると気持ちがいいですよ。

顔浴

顔浴

メイクをしている場合にはメイクを落とします。洗面器に沸かしたお湯を入れ、その上に顔を近づけます(顔に湯気を当てるようにします)。大きめのタオルを頭からかぶり、洗面器と一緒に覆って湯気が逃げないようにするとほどよい加湿器がわりになり、顔の毛穴が開いて肌に潤いを与えます。このあと、ぬるま湯で洗顔し、最後に冷たい水で洗うと毛穴がしまってきます。ただし、くれぐれもやけどにはご注意ください。

普通のお風呂に飽きたなら?

いつも同じお風呂や入浴剤ではちょっとつまらない、という方は、こんなお風呂を楽しんでみてはいかがでしょうか?普段とちがってリラックスした気分になれること、まちがいなしです。

季節を楽しんで

  • 柚子湯…冬至。ゆずを3~4個ガーゼの袋に入れてお湯につけるか、そのまま入れます。
  • 松葉湯…新年の初湯に。松ヤニをよく洗って落とし、そのままか布袋にいれて浮かべます。
  • 菖蒲湯…端午の節句。菖蒲には身にまとわりつく悪霊を除き、邪気を払って健康な体を維持する効果があります。
  • 桃の葉湯…土用の丑の日に。桃の生葉を30~40枚布袋に詰め、鍋に入れて水から15~20分煮出します。煮汁を袋と一緒に浴槽へ入れます。あせもや湿疹をやわらげます。

香りを楽しんで

  • ハチミツ…肌をしっとりさせる効果あり。大さじ1杯くらいの量をお風呂によく溶かして入れます。
  • ぬか…ぬかは江戸時代に女性が入浴剤として使っていたとか。小袋に入れてバスタブに浮かべてもよいでしょう。
  • ビネガー…酸性の液は石鹸などでアルカリ性になった肌をやさしく戻してくれるのに効果的です。レモン汁やアップルビネガーなどがニオイもよくおすすめです。
  • 牛乳…入浴剤でもミルクバスとして売られていますが、生の牛乳をいれても肌の乾燥を防ぎ、すべすべになります。生クリームでもOKです。

柚子湯

こんなときはお風呂に入らないで!

  • ●食後すぐ
    食後すぐに風呂に入ると、胃液が止まり、胃腸の運動も止まるので消化不良を起こします。だから、食後1時間~1時間半の休息が必要です。また、入り過ぎは湯疲れを起こしてしまうので、1日の入浴は3回以内にしておきましょう。
  • ●お酒を飲んだ時
    飲酒後の入浴は、血圧は低下、心拍数は増加し、体に負担をかけすぎます。脳貧血や心臓発作を起こす例も少なくありません。絶対にやめましょう。
  • ●激しいスポーツの後
    運動直後には、血液によって筋肉に重点的に酸素を供給し、疲労をとることが必要になります。お風呂に入ると血行がよくなり、体表面に血液が大量に流れ、ほかの臓器や筋肉への血流量が減少してしまうため、筋肉疲労が残りやすいようです。
  • ●空腹の時
    空腹時に入ると胃酸過多になり、気分が悪くなることがあるので注意が必要です。
公開日:2001年10月1日