ダニの種類は50万種類以上。チリダニやツメダニなどが人体に悪影響を与えます。高温・多湿を好むため、夏は爆発的にダニが増える時期です。
ダニは、カビとともに、アレルゲン(アレルギー症を発症させる原因となるもの)になり得るものです。 ダニそのものだけでなく、ダニの糞や死骸などは、アレルギー性鼻炎やぜんそくの原因に、またツメダニと呼ばれる刺咬性のあるダニが刺したときの分泌物(唾液)は、アレルギー性皮膚炎を発症させるもととなります。
特に、アレルギー性ぜんそくは、80%以上ダニが原因であるといわれています。
小さい子がいる家庭や、アレルギー症の人には、ダニは天敵なのです。
さて、ダニとはどんな生き物なのでしょうか?
生物学的分類では、クモの親戚です。ただし、クモや昆虫は、頭、胸、腹が分かれている(クモの頭と胸は一緒)のに対し、ダニは部位ごとに分かれておらず、ひとつしかありません。
ダニの体長は100~1000マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)、幅50~200マイクロメートルです。人間の肉眼で見える大きさは100マイクロメートルまでだといわれているため、家の中にダニがいても、見つけることはほとんどできません。
ダニは次のような条件で繁殖します。
ケナガコナダニを夏と同じ条件(温度25℃、湿度75%)で水やエサを十分に与えたところ、30匹が10週間で1万匹に増えたという実験結果があります。おもしろいことに、冬を想定した温度・湿度では、いくらエサや水分があっても、30匹が10週間後には半減してしまったそうです。
ダニの種類によっては条件さえそろえば、2週間ほどで卵から成虫に育つといわれています。やはり、夏は爆発的にダニが増える時期なのです。
ダニの種類は50万種類以上。そのうち、家屋で検出されるものは100種類ほど。それには、次のようなものがあります。