カビがアレルギーの原因になるメカニズムはわかっていないことも多いが、カビによるアレルギー反応の症状として、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性ぜんそく、そして水虫もカビの一種である。
本来、人間の体にはさまざまな有害物質から身を守るための機能が備わっている。その免疫作用によって無害になるはずの物質が、なんらかの原因によって人体に有害となってあらわれ、さまざまま障害を起こすのがアレルギーである。
なぜ、カビがアレルギー症の原因になるのか、そのメカニズムは非常に複雑でまだ分かっていないことも多い。普通、カビなどが体内に入ると体が感知して、それを排除しようとするために抗体ができ、カビによる害が体内に広がるのを阻止するはたらきをする。ただそのはたらきが体にマイナスに出てしまった場合、さまざまな炎症を起こしたりすると考えられている。アレルギー反応は、皮膚や呼吸器、消化器などで炎症反応を起こしやすいのだ。
水虫は、皮膚に白癬菌(はくせんきん)と呼ばれるカビが生える病気で、正式には汗疱状白癬といい、ひどくなると爪にまでカビが生えるようになる。
カビが皮膚の内部にはびこり、ケチラナーゼという酵素を出して皮膚の角質などを栄養にしてどんどん増えていく。そして、菌糸がどんどん深くもぐっていってしまうのだ。治療をすると、表面のかゆみや痛み、ただれが引き、治ったかのように思うが、かなり深いところまでもぐっているので、気候がカビの好都合な条件になったり、ヤド主の体力が弱まると、また登場してくる。
水虫になったら、皮膚科にかかり、徹底的に治しておくことが大切だ。
コンタクトレンズでも、とくにソフトレンズは吸水性が高く、含水率は30~80%程度。だから、目の中にある脂肪やたんぱく質がつきやすく、カビや細菌が住みつきやすい。
コンタクトレンズにつくカビは、クラドスポリウム菌、アルテルナリア菌、セロファスポリウム菌など。健康な人の涙には、リゾチームという物質が存在し、目をカビや病原菌から守っているが、コンタクトレンズの手入れを怠ると、角膜が感染症を起こすことになる。そういった意味では、これからは使い捨てレンズが主流になるのでは?