疾患・特集

片頭痛を治す&予防するには?

急な痛みが起こった場合の薬を使わずに痛みをやわらげる方法、その予防法をご紹介ます。

急な痛みが起こったら?

片頭痛が起こったからといって、すぐに薬を飲んでいてはあまり良くない。少なからず、薬には副作用があるし、頻繁に使えば使うほど効き目が弱くなって、使用量が多くなってしまうからだ。そこで、まずは薬を使わずに痛みをやわらげる方法を紹介しよう。

  • 十分に睡眠を取ること。睡眠にまさる良薬はない。軽い片頭痛なら、これだけで治ることもある。
  • 部屋は暗く静かにする。発作時は音や光に敏感になり、明るさを嫌う兆候がある。
  • 痛むところを冷やす。冷やすことで、痛みの原因になっている血管の拡張がおさえられたり血管が収縮して痛みがやわらぐ。
  • コーヒーや緑茶などのカフェインを飲む。カフェインは血管収縮作用が著しく、市販薬の鎮痛剤にも含まれているほど。
  • 痛いほうのこめかみの動脈を指で押さえる。痛みがある時はたいてい頭蓋骨と頭皮の間にある動脈が拡張しているためなので、それを収縮させればよい。ちなみに、頭部にある動脈は上眼窩動脈、浅側頭動脈、後頭動脈などがあるが、こめかみを走っているのは浅側頭動脈。
    動脈
  • 動脈を指で押さえる代わりに、ハチマキをするのも手。昔から梅干のタネをこめかみに貼るのも同じような効果があるためだ。

これで片頭痛を予防しよう!

片頭痛は起こりやすい人と起こりにくい人がいる。現在のところ、片頭痛を完璧に消し去るような特効薬はない。しかし、片頭痛持ちの人は、日常生活において注意すればかなり回避できる。もちろん、規則正しい生活をすることは言うまでもないが、そのほかの方法をご紹介しよう。

  • ●ストレスをためない
    「ストレスは万病のもと」とも言うほど、さまざまな病気の原因となる。頭痛も例外ではないので、ストレスを溜めないようにすることは大切だ。
  • ●興奮しない
    血管を拡張させるような行為はすべて片頭痛を起こすもと。例えば、興奮したり怒ったりすると血管が広がる。穏やかな気持ちで暮らそう。ほかには、炎天下にいたり、熱いお風呂に長くつかっていたり、運動をした後などは全身の血管が広がっている。
  • ●お酒の飲み過ぎに注意
    アルコールも血管拡張作用があるため、頭痛の原因となる。とくに、赤ワインが最も片頭痛を起こしやすく、蒸留酒は起こしにくいと言われている。
  • ●食べ物で起こることもある!
    日本人には比較的関係ないと思われるが、特定の食べものが片頭痛を引き起こすことがある。例えば、ハムやソーセージ類など練り製品に含まれる亜硝酸塩や、中華料理に使われるグルタミン酸ソーダなどは片頭痛を誘発すると言われている。そのため、「ホットドッグ頭痛」という言葉があるほど。また、チーズやチョコレートの食べ過ぎにも要注意。

薬での治療がほとんど

頭痛は市販薬だけでも優に100を超えるほどあり、どれを服用するかは悩むところ。月に10回以上、頭痛薬のお世話になる人なら、医師の指導のもとで服用するのが望ましい。
また、病院で治療を受けるとしても、現在の医療では薬による薬物療法がほとんど。ただし、完全に治すのは難しく、薬物治療として行われるのには、主に2つある。

  • 頭痛が起こった時に、痛みを和らげるための薬物療法(頭痛抑制治療)
  • そもそも頭痛を起こりにくくする薬物療法(頭痛予防治療)
頭痛時の治療薬 鎮痛薬、エルゴタミン製剤、スマトリプタン
予防のための治療薬 カルシウム拮抗薬、βブロッカー、抗うつ剤、鎮痛薬、抗セロトニン薬、エルゴタミン製剤、抗てんかん薬、漢方薬

市販薬の鎮痛剤を服用するときのポイントは、生あくびや目の前がチカチカするなどの前駆症状が出始めたら、早めに鎮痛薬を飲むこと。痛みがひどくなってからだと、鎮痛薬の効果がかんばしくなく吐気などがあって薬が飲めないことがある。
ただし、頭痛が起こりそうだからといって毎日のように服用していては、かえって悪影響を与えてしまう。難しいところだが、「鎮痛薬は早めに服用、でも乱用してはダメ」なのだ。

解熱鎮痛剤 アスピリン、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリンなど
公開日:2001年6月4日