疾患・特集

紫外線はいいヤツ?悪いヤツ?

恵みの多い太陽の光ではあるが、太陽光の中に人に都合の悪い光成分が含まれていることが明らかになってきました。それが「紫外線」です。なぜ人にとって都合の悪いものなのでしょうか。

とかく悪者にされがちな紫外線

太陽の光がまぶしい季節がやってきた。スポーツ、散歩、昼寝など、日光の下にいるだけで、安心したりすがすがしい気分になって思わず伸びをしたくなったりするもの。もちろん、それだけではなく、人は太陽の光を浴びることでビタミンDの合成を促進し、カルシウムの吸収を助けるため、骨が強くなるのだ。また、太陽の光がなければ作物や草花は育たないし、動物や鳥たちも生きることはできない。
これほど恵みの多い太陽の光ではあるが、太陽光の中に人に都合の悪い光成分が含まれていることが明らかになってきた。それが「太陽紫外線」なのである。

なぜ「太陽紫外線」は悪者?

なぜ太陽紫外線は人にとって都合の悪いものなのだろうか。

シミ・シワをつくり、老化を早める!

シミ・シワ

特に女性が嫌うシミやシワはほとんどが紫外線によるもの。外で働く機会が多い人ほどシミやシワができやすい。また、日本でも北と南では、年間の紫外線量が1.5~2倍ほど違っているので、例えば、鹿児島に住む女性は秋田の女性よりシミで約20歳、シワで約6歳ほど早く発症すると言われているのだ。

過度の日焼けはヤケドと同じ!?

皮膚の構造

こんがり焼けた肌は魅力的。でも、過度の日焼けは、水泡ができたり赤くはれ上がったりする。こうなると日焼けとは言えず、ヤケドになってしまっているのだ。これは、急性日光皮膚炎ともいい、ひりひりと痛くてじっとしていられず、病院に行くことになる。もちろん、水泡や赤くはれた部分は、そのままシミの原因にもなるのだ。

皮膚がんのもと!

紫外線は皮膚がんのもとになることが最近の研究で分かってきている。もともとがんとは、遺伝子の異常によって起こるもの。日焼けを繰り返すことで、たびたび遺伝子が傷つき、免疫力が低下すると細胞に突然変異が起こってがん細胞を発生させてしまうのだ。

ひとことで皮膚がんと言っても、そのできる部分によってがんの種類は異なる。皮膚がんのうち、起こりやすいものを順にあげると、有棘細胞がん、基底細胞がん、メラノーマ(悪性黒色腫ともいい、極めて転移しやすい「ほくろのがん」)、表皮内がん、などである。

白内障も引き起こす!

紫外線による障害は、皮膚だけでなく目の水晶体にも害を及ぼすと言われている。特に、白内障の発生頻度がかなり高い
目の水晶体は、レンズとしてはたらくと同時に紫外線を吸収するフィルターとしても作用するが、長年紫外線を浴びつづけると角結膜炎を起こし、激痛を伴うことになる。そのひとつが雪面反射による雪目だ。また、殺菌灯に直接目をさらす時にも起こるので注意。

公開日:2001年5月14日