ヒトはほかの動物に比べて、はるかに腰痛を起こしやすい動物です。なぜなら、二本足で歩くから。立っている時だけでなく、歩く時や、物を持つ時なども腰には大きな負担がかかっています。
腰の骨のことを腰椎(ようつい)といいます。腰椎は体を支える脊柱(いわゆる背骨)の一部です。この脊柱のおかげでヒトは二本足で歩くことができます。まさに体の要となっているのです。
脊柱は、体を横からみるとS字状に弯曲しており、これを前の腹筋と後ろの腰背筋と靭帯で支えています。
体を支持する脊椎は、上から7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎、その下に骨盤と連結する仙椎、さらに尾骨でできています。それぞれの腰椎の間にクッションの役割をする軟骨状の椎間板(ついかんばん)があります。
腰痛はこの腰椎のほかに椎間板、神経、靭帯、筋肉のいずれに故障が起こっても発生し、特に5個の腰椎のうち、下の二つに大きな力がかかり、痛みを発生することが多いようです。
脊柱(腰椎)の仕組み
ヒトはほかの動物に比べて、はるかに腰痛を起こしやすい動物です。なぜなら、二本足で歩くから。立つことによって脊椎は重い上体を支えなければならず、とくに腰椎に大きく力がかかります。立っている時だけでなく、歩く時や、物を持つ時なども腰には大きな負担がかかっています。
ほかにも腰痛を起こす要因があります。
腰痛を引き起こす病気はさまざまで、その痛み方や、痛みの部分、また年齢によってもその病気はいろいろあります。
いずれの場合も痛みを感じたらまずは安静にすることです。様子をみて、専門医にかかりましょう。
あらゆる検査をしてもこれといった異常が見られない、腰の痛みのことです。重い物を持って腰をひねったり、腰を打ったり、突然のくしゃみなどによって「魔女の一撃」と称されるほどの突然の激痛が起こったものはぎっくり腰ともいわれます。
安静にしていれば痛みそのものは治まりますが、再発しやすく、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症に移行することもあるので要注意です。
椎間板の中にある髄核が、それを取り巻く線維輪から飛び出して起こります。神経を圧迫するので、腰痛だけでなく、足にも痛みやしびれを感じます。
あらゆる世代でかかりやすい病気です。若い人はスポーツなど外部からの圧迫によって起こり、中高年では椎間板の老化によって起こりやすいようです。
腰椎の上関節突起と下関節突起の間が分離した状態をいいます。ただし、分離しているからといって必ずしも腰痛を起こすとは限りません。分離した部分は、支持性が弱く腰椎にずれを生じることがあり、これがすべり症です。
腰椎のずれの程度が大きいと神経を締めつけるため、しびれや痛み、歩行障害を招くこともあります。激しいスポーツをした人に多くみられます。
加齢とともに椎間板がすりへり、これをカバーしようとして椎骨にトゲのような骨の出っぱりができ、この突起が神経を刺激して痛みやしびれを起こすものです。
年齢とともに骨が変形したからといって、必ず痛みがあるわけではなく、周りの靭帯や関節や椎間板を疲労させた場合に腰痛を起こします。
腰椎の骨の中に脊柱管とよばれる、神経を保護する通り道があり、これが狭くなって脊髄や神経根が圧迫されて痛みが起こるものです。長時間歩いていると腰から足にかけて痛みやしびれが広がり、歩くことができなくなる場合もあります。
脊柱管が狭くなる原因は先天的なものと脊椎すべり症、変形性脊椎症など、ほかから移行する場合があります。
骨からカルシウムが失われ、骨質の目が粗くなり、スカスカになった状態です。骨がもろくなるので、ちょっと転んだだけでも骨折する場合があります。
老化や更年期のホルモンバランスの崩れから起こりやすいのですが、加齢とともに運動不足やカルシウムを吸収する力が弱くなることも原因のひとつです。