クーラーによる冷房病は夏バテを招きますが、冷やしすぎないように利用するといいでしょう。
冷えすぎは冷え性にとっては体調が悪くなるので困りものです。でも、熱帯夜で寝苦しいときなどは、涼しくして睡眠をとることが大切です。
クーラーをつけるなら、外気との温度差は5℃~6℃に設定するのがよいでしょう。日によって、または人によってはそれでは暑いと感じ、もっと温度を下げる人もいるかもしれません。
かといって、温度ばかりを下げていても涼しく感じないこともあります。ここで関係するのが、「室温」と「湿度」と「輻射熱」です。
人が暑いと感じるのは、単に温度だけではなく、湿度や輻射熱(ふくしゃねつ)が関係している。次のグラフのとおり、体感温度に影響を与えているのは、湿度が約20%、室温が約30%、そして輻射熱が40%以上なのです。
体温に影響を与える要素
物から物へ空気を介さずに直接届く熱のことです。例えば、熱いやかんに手を近づけるだけで熱いと感じたり、氷に直接触らなくても冷たいと感じたりするものです。
この輻射熱のおかげで家の床や壁が暖かければ室温より暖かく感じ、冷たければ涼しいと感じます。そのため、室温と体感温度にずれが生じます。
輻射熱と同様に体感温度に影響を与えているのが、湿度です。
湿度が高いといくら室温を25℃に下げても暑いと感じる人もいますが、湿度を40%~60%にするとサラサラ快適になります。夜寝る時などは温度よりも湿度を調節した方が、変に冷えすぎず、かえっていいかもしれません。
とくに、暑がりの人と寒がりの人が一緒の部屋にいる場合には、湿度を下げれば室温が27℃~28℃でも両者が涼しいと感じるので、効果的です。