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線維筋痛症の診断基準

疼痛や圧痛点だけでは診断できない

線維筋痛症には、診断のための基準となるものが、近年まで存在しなかった。そのため日本では多くの場合、1990年に米国で定められた「米国リウマチ学会分類基準(1990)」が診断に用いられてきた。疼痛と圧痛点という2つの観点から線維筋痛症を確かめるこの基準は、有用な反面、次のような問題点も含んでいる。

米国リウマチ学会分類基準(1990)の問題点

  • ●線維筋痛症はさまざまな身体症状が現れる病気であるため、疼痛と圧痛点だけでは、全ての線維筋痛症の患者さんを診断し切れていない可能性がある。
  • ●圧痛点での診断には多くの時間が必要であり、圧痛点の使用が広く浸透していない可能性がある。

…など

米国リウマチ学会診断予備基準(2010)の登場

上記の問題点を踏まえ、2010年に米国で新たに「米国リウマチ学会診断予備基準(2010)」が、提唱された。この基準では、身体症状も考慮に入れられていて、米国リウマチ学会分類基準(1990)で懸念されていた前述の問題のいくつかが解決されることとなった。

米国リウマチ学会の線維筋痛症診断予備基準(2010)
※日本人を対象に一部改変

(1)過去1週間における、下記19ヵ所のうち疼痛を感じる部位の数

過去1週間における、下記19ヵ所のうち疼痛を感じる部位の数

(2)次の症状の度合い

  • ●疲労感がある…疲れを感じる
  • ●起床時に不快感がある…起きたときに不快感がある
  • ●認知症状がある…時間や場所を忘れやすい

(3)次の身体症状の有無

  • ●疲労感・疲れ
  • ●眼や口が乾く
  • ●不眠
  • ●しびれ・刺痛
  • ●筋肉痛
  • ●筋力低下
  • ●息切れ
  • ●めまい
  • ●よく物を忘れる・集中できない

…など

※身体症状の数については各施設にゆだねられる

下記の条件1〜3をすべて満たす場合、線維筋痛症と診断される

  • 条件1:(1)の疼痛と(2)(3)の症状の度合いが、一定基準を超える
  • 条件2:症状が少なくとも3ヵ月間続く
  • 条件3:疼痛は、ほかの病気によるものではない

それでもまだ残る、繊維筋痛症の診断における問題点

より正確な診断が可能になった米国リウマチ学会診断予備基準(2010)ではあるが、それでもまだ問題は残っている。そのひとつとして挙げられるのが、すべてが自己申告であるということ。これはすなわち、患者さんの申告によって、病気が作り出されてしまう可能性があることを意味する。また、この基準を検証する際に、炎症を伴うリウマチ性の病気や、心療内科や精神科で診断される病気が比較対象とされなかったこと、男性や小児の患者さんが検証の対象に含まれていなかったことなども、完全な基準とはいえない要因とされる。

これらの問題から、米国リウマチ学会診断予備基準(2010)の診断だけではなく、圧痛点や、筋の把握痛(筋肉をつかんだ際に感じる痛み)に対する反応の有無や程度も、補助的に確かめることが望ましい。いずれにしても、線維筋痛症が疑われる場合は、専門医に診てもらう必要がある。

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