■お話を伺った先生
日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 教授
日本大学医学部附属板橋病院耳鼻咽喉科 部長 池田 稔 先生
―― 味覚障害になりやすい人はいますか?
現在、味覚障害になる人が増えている理由の一つに、この病気が高齢者に多く生じてくるという背景があります。味覚機能は年齢とともにゆっくり低下し、70歳あたりの高齢になると急激に低下します。そして、この条件に味覚障害をひきおこす原因(薬の副作用、全身の病気、血液中の亜鉛不足など)が加わると、味覚障害が起きやすくなります。
―― 味覚障害にならないためにできることはありますか?
将来的に味覚障害にならないためには、次のことを心がけ、舌にある味細胞(みさいぼう)が正確に味覚を感知できるようにしておくことが大切です。
また、味覚に異常を感じるようになっても適度なアルコールや香辛料を口にすることは問題ないですが、喫煙は絶対に控えたほうがよいでしょう。
―― 最後に、ユーザーの方へのメッセージをお願いします。
味覚障害は直接命にかかわる病気ではありませんが、病的な濃い味付けを年余にわたり続けていると高血圧など二次的な病気になったりすることも否定できません。
味覚障害は高齢の方でも比較的若い方でも、きちんと治療すれば同じように改善しますので、専門の検査で味覚機能を評価しながら治療を行うことが重要です。