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認知症体験談(3)
先生のお言葉「体験談を読んで」
香川大学医学部精神神経医学講座教授 中村祐先生
香川大学医学部
精神神経医学講座教授
中村祐先生
アルツハイマー型認知症では脳の機能のすべてが侵されてしまうと考えられがちです。しかし、実際は、初期で侵されるの機能は、ほんの一部分に過ぎません。初期では、神経の信号を伝達するアセチルコリンという物質を分泌する神経細胞の一部に異常を来しています。そのため、物忘れが目立ちますが、他のことは結構できたりします。
また、ある程度病気が進むと、強く障害を受けているところとそれほどではないところが混在します。その結果、介護者が理解困難な言動が見られたりするわけです。このような状況では、介護者だけが苦しいのではなく、患者さん本人も相当苦しいと思われます。ただ、患者さんの場合、適切に表現できないだけなのです。
ですから、アルツハイマー型認知症を不治の病と諦めずに薬物治療をすることや種々のリハビリを行うことは、双方にとってとても大切です。初期では、それらの効果は表れやすく、また、患者さん本人にとっても実感できるものです。また、ある程度病気が進んでも、障害の強い部分を緩和することが可能なのです。

認知症の介護はひとりでは極めて困難です。医師、ケアマネージャー、介護士、看護師などと連携を取りながら続けることが重要です。家族会などに参加して、ケアの心得を聞いたり、ただ愚痴や苦労話をするだけでもストレスが軽くなる場合があります。1人で悩まないで、周りにいる人たちに相談していくことによって、介護を続けることができると思います。
また、認知症に対する知識をつけることも重要です。色々な症状がどのようなメカニズムで発生するかを知れば、場合によってはその原因を取り除いたり、緩和したりすることができるからです。



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