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認知症体験談

特集「アルツハイマー型認知症最前線」では、皆様からの体験談を募集いたしました。
その結果、貴重なご意見や体験談をお寄せいただきましたので、ここに内容をご紹介させていただきます。読者の皆さんに共通の問題として、認知症について深く考える機会となれば幸いです。ご協力いただいた方々には深く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

体験談 その1
実母と姑のダブル介護で痛感 ―「介護とは、誰か1人の肩に重くのしかかるもの」
(40代、女性、主婦)

体験談―「介護とは、誰か1人の肩に重くのしかかるもの」

現在、実母と姑の2人を同時に介護しています。実母がアルツハイマー型認知症、姑は脳梗塞が原因の認知症で、ともに昭和4年生まれ、要介護3という状況です。
実際に介護を経験してみて思うことは、よく「介護は家族が皆で協力して」と言いますが、実際は家族の中で誰か1人、腹をくくった人間の肩に重くのしかかるものだということです。

また「がんばらない介護」とも言いますが、わが家の場合、私ががんばらなければ両親は生活できないと思います。「がんばれ」と励まされるのも辛いものですが、部外者から「がんばらなくてもいいのよ」などと言われると、袋小路に追い込まれるような気がします。今はネットを通じて情報交換をするようになった介護仲間と、お互いに励ましあっている状況です。

認知症の実態を良くご存じない方は、認知症患者さんは何もかも理解できないという誤解をしているようです。しかし実際は、部分的にクリアなところも多く、だからこそ毎日の生活が難しいといった点を痛感しています。

体験談 その2
祖母に赤ちゃんと接するような介護をするようになってから、気持ちが楽に ―「介護を通じて、本当にいい経験ができた」
(30代、女性、会社員)

「カレーはどうやって作るんやった?」−この言葉が、祖母のアルツハイマー型認知症の始まりでした。

そのうち文字が書けなくなり、小学生の文字練習帳を使って毎晩のように字を書く練習をするようになりました。それでも進行が進み、ひどくなる一方。突然、裸足で家から飛び出すなど、そんな祖母の病気の悪化ぶりを見ていてとても辛かったです。
初めのうちは、祖母への対応にかなりしんどい思いをしたのですが、徐々に赤ちゃんに戻っていくような祖母の様子を見て、家族は祖母に、赤ちゃんと接するような世話をするようになりました。すると不思議なことに、気持ちがとても楽になって行ったのです。

最終的には寝たきりになりましたが、ときどき分かっているのかどうなのか、私たちが話すことに反応して笑ったり怒ったり、ふと以前の祖母に戻るときがありました。アルツハイマー型認知症でも、どことなく分かっている部分があるのでしょうね。
祖母の介護を通じて、本当にいい経験ができたと思っています。

体験談 その3
私を他人や妹と思う母 ―「認知症の症状に慣れても募る、やり切れない思い」
(40代、女性、無職)

体験談―「認知症の症状に慣れても募る、やり切れない思い」

母が認知症です。発症する前のイメージは、認知症と言えば無気力でボッーとしているものというイメージでした。実際は、まったく違いました。

私の母の症状は、娘である私を他人や妹と思い込むことから始まりました。医学書には「家族が分からなくなるのは重度になってから」「大切なことは簡単に忘れない」などと書かれており、介護初心者の私は、「母の認知症は特別なのか?」「大切なことは簡単に忘れないのなら、私は母にとって何なのだろう?」と、とても思い悩みました。
何を見ても、読んでも、私の混乱をしずめてくれるものは無く、「個人差だから」と説明されても納得できませんでした。

今はだいぶ母の症状にも慣れてきましたが、どんなに介護しても「ありがとうございます、先生」などと言われたときに、やり切れない思いで胸が押し潰されそうになります。

体験談 その4
症状の軽い母と、介護する私とで傷つけあい ―「認知症の介護は、親子関係が邪魔をすることも」
(50代、女性、会社員)

現在、高齢の母の介護を行っています。
まだ初期の症状であるため、母の言動が認知症の症状なのか、そうではないのかの判断が難しいことが多々あります。そのせいで心身ともに潰れそうになります。
認知症の介護においては、親子関係というものが逆に邪魔をすることもあると感じています。「私の知っている母はこんなことをする人ではない」「人をボケ老人扱いして、お前は私の娘じゃない、鬼だ」といった感じで、両者が傷つけあってしまうことも多々あります。

私の母はまだ症状が軽いため、自分が認知症になったということを理解できています。今までの自分ではない、認めたくないという心の葛藤を乗り越え、1年ほどかけてやっとアルツハイマー型認知症であることを理解してくれました。理解をしてもらえなければ、もっと介護が大変ではなかったかと思います。
ただ、最近は「ボケ老人なんだから、私に言う方がおかしいでしょ!忘れて当然、出来なくて当然」とかわされるようになり、ほとほと疲れる毎日です。

私の考えでは、介護は他人が行うべきだと思います。家族が介護を行うと、介護される側に甘えが出ますし、介護する側は理想と現実のあまりもの乖離に心身ともに潰れてしまうと思います。

先生のお言葉「体験談を読んで」

香川大学医学部精神神経医学講座教授 中村祐先生
香川大学医学部
精神神経医学講座教授
中村祐先生

アルツハイマー型認知症では脳の機能のすべてが侵されてしまうと考えられがちです。しかし、実際は、初期で侵されるの機能は、ほんの一部分に過ぎません。初期では、神経の信号を伝達するアセチルコリンという物質を分泌する神経細胞の一部に異常を来しています。そのため、物忘れが目立ちますが、他のことは結構できたりします。
また、ある程度病気が進むと、強く障害を受けているところとそれほどではないところが混在します。その結果、介護者が理解困難な言動が見られたりするわけです。このような状況では、介護者だけが苦しいのではなく、患者さん本人も相当苦しいと思われます。ただ、患者さんの場合、適切に表現できないだけなのです。
ですから、アルツハイマー型認知症を不治の病と諦めずに薬物治療をすることや種々のリハビリを行うことは、双方にとってとても大切です。初期では、それらの効果は表れやすく、また、患者さん本人にとっても実感できるものです。また、ある程度病気が進んでも、障害の強い部分を緩和することが可能なのです。

認知症の介護はひとりでは極めて困難です。医師、ケアマネージャー、介護士、看護師などと連携を取りながら続けることが重要です。家族会などに参加して、ケアの心得を聞いたり、ただ愚痴や苦労話をするだけでもストレスが軽くなる場合があります。1人で悩まないで、周りにいる人たちに相談していくことによって、介護を続けることができると思います。
また、認知症に対する知識をつけることも重要です。色々な症状がどのようなメカニズムで発生するかを知れば、場合によってはその原因を取り除いたり、緩和したりすることができるからです。

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