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中高年女性は要注意!股の間に感じる不快感

取材協力:亀田総合病院 ウロギネセンター長 草西 洋医師
主任産婦人科部長 清水幸子医師

お風呂で気づく、ピンポン玉のような違和感の正体は?

お風呂で気づく、ピンポン玉のような違和感の正体は?

股の間に何かはさまっているような違和感、丸いものが腟のあたりに出ているといった不快感を覚えたことはないだろうか。「もしかして、私だけ?」、「相談するのは恥ずかしい」、そんな思いから、だれにも相談できず悩んでいる人も少なくないというが、実はこの症状は「骨盤臓器脱」という病気によるものだ。

「骨盤は家の梁のように張り巡らされた靭帯、シート状に敷き詰められた筋膜、そして筋肉の3層構造で支えられています。これらを骨盤底筋群と言いますが、中高年になると、この筋肉や靭帯がゆるみやすくなります。それによって骨盤内にある子宮、膀胱、直腸などの臓器が下がり、腟を通って体外に出てくることがあります」と、千葉県・亀田総合病院ウロギネセンター長の草西洋医師は説明する。

子宮や膀胱、直腸など、下がってくる臓器によって、下着が汚れたり、頻尿もしくは尿が出にくくなるなど異なる症状が現れるが、脱出がひどくなると擦れてしまったり、出血することもあるという。同院産婦人科の清水幸子医師は、「腟が少し出ているくらいの段階では、患者さまご本人もなにが出ているのかわからなかったり、気づいていてもそのままにしている方が多くいます」と話す。

出産経験のある女性はとくに注意!

骨盤臓器脱は50歳代以降の女性に起こりやすい病気だが、そのもっとも大きな原因と言われているのが出産だ。なかでも3人以上産んでいたり、巨大児の出産経験があると、さらにそのリスクは高まるという。

草西医師は、「出産時には骨盤底筋が伸び、赤ちゃんを膣から外へ出します。このとき筋肉や神経が傷ついてしまうため、骨盤底筋群の収縮力が落ち、骨盤内の支えが弱くなります」と話す。そのほか喘息などによる慢性の咳、便秘などりきむことが多い人もリスクが高くなるという。そこへ閉経による女性ホルモンの低下という要因が加わると、骨盤底筋の弾力が失われ、ゆるみやすくなるのだ。

「農業や漁業、酒屋さんなど、重い荷物を持つ仕事をしている人にも起こりやすい病気です。そのほかにも、高齢者を介護している年代がちょうど60〜70歳代ということもあり、最近は介護をしている人に増えているという印象があります。また、介護される側にも増加しています」(清水医師) しかし、実際の受診率はと言うと、「受診すべき人の10%程度ではないでしょうか」と清水医師が話すように、まだまだ低いのが現状だ。

年齢を重ねてもスポーツや旅行を楽しみたい

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骨盤臓器脱は命に別状がない、病院へ行くのは恥ずかしいなどの理由から、気がついていてもそのまま放置していることも少なくない。

「患者さまにうかがうと、受診するまでは悩んだという方も多くいらっしゃいます。しかし、今は平均寿命も延び、80歳を超えても元気な方がたくさんいます。以前は隠してきた病気だったと思いますが、根治療法である手術も、最近、新しい治療法として、体に負担が少なく、再発も少ないメッシュ手術が出てきました。年のせいだからとあきらめず、治療できる病気だということを知ってもらいたい」と清水医師は話す。

「骨盤臓器脱があることで、スポーツやサークル活動が及び腰になったり、友人との温泉旅行を避けたりするなど、QOLが大幅に低下します。しかし先日、昨年メッシュ手術による治療をした患者さまを診察したとき、『病気のことを忘れていた』と言われました。それが理想だと感じました」(草西医師) 現在、日本の女性の平均寿命は86歳。子育て後の人生も、自分のやりたいことを思い切り楽しみたいもの。気になる症状があったら、まずはかかりつけ医や産婦人科、泌尿器科の専門医に相談してみよう。

取材協力医からのメッセージ

草西 洋医師

亀田総合病院
産婦人科顧問 ウロギネセンター長
草西 洋医師

よく患者さまから『私だけじゃないんですか?』と言われることがありますが、実際にはたくさんの患者さまがいます。産婦人科や泌尿器科の医師と相談し、納得いく治療を受けて欲しいと思います。

清水幸子医師

亀田総合病院
主任産婦人科部長
清水幸子医師

過度に心配することはないと思いますが、家族のこと、子どものことを優先されるあまり、がまんしている方も多いと思います。しかし、50歳は人生の折り返しです。健やかに元気で過ごしていただくためにも、日々自分の体のことに関心を持ち、情報を得ていただきたいと思います。

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