活習慣の改善で、花粉症にならない、もしくはなってしまっても症状が出にくい体づくりはできます。心配するよりまずは実践あるのみです。生活習慣を見直してみましょう。
毎年春を迎えると涙目や鼻水、くしゃみに悩む…そんな花粉症患者は全国で約2000万人と言われています。花粉症になっていない人でも、この季節が来るたび「今年は危ないのでは…」と不安になってしまうものです。しかし、生活習慣の改善で、花粉症にならない、もしくはなってしまっても症状が出にくい体づくりはできます。心配するよりまずは実践。生活習慣を見直してみましょう。
食の欧米化により高たんぱく、高脂肪な食事が増えたことも、花粉症の原因のひとつと言われています。少しでも症状を改善したいなら、まずは和食を中心に、いろいろな種類の食材をバランスよく食べることからはじめましょう。また、最近は、青魚の脂肪に多く含まれているDHAやEPAにアレルギー反応を抑制する効果があるとも言われています。肉や卵は控え目に、たんぱく質は青魚や大豆などから摂るよう心がけたいものです。
また、花粉症の症状を抑えるのに有用とされる食材の研究も進んでいます。なかでもポリフェノールは、ヒスタミンなどの化学物質の発生を抑制し、活性酸素を除去してくれる強い味方です。上手に利用して、悩み知らずのシーズンを迎えましょう。
この成分に注目!:α-リノレン酸、フラボノイド
シソは、古くから生薬としても使われてきた香味野菜の代表格。実から抽出される油にはα-リノレン酸が豊富に含まれ、アレルギーを引き起こす原因物質のひとつであるロイコトリエンの生成を抑えてくれます。また、実と葉の両方に含まれるフラボノイドは、IgE抗体を作り出すヒアルロニダーゼやシクロオキシゲナーゼなどの酵素のはたらきを妨げ、過剰になった免疫反応を正常に戻してくれます。ジュースにしてよし、料理に使ってもよし。花粉症対策における万能選手です。
この成分に注目!:甜茶ポリフェノール
甜茶は、中国で古くから旧暦の正月(春節)に飲まれているお茶で、バラ科、アカネ科、ブナ科、ユキノシタ科の4種類があります。そのなかでバラ科の甜茶「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)」だけに含まれる甜茶ポリフェノールが、ヒスタミンの過剰な分泌の原因となる物質「シクロオキザーゼ」の活性を妨げ、つらい症状をやわらげてくれます。
この成分に注目!:オイゲニイン
中国では古くから、バラのつぼみがお茶として飲まれ、健康、美容によいとされてきました。そのバラの花びらから加熱抽出されるエキスに含まれているのが、「オイゲニイン」という成分です。ポリフェノールの一種で、IgE抗体と肥満細胞が結合するのを防ぎ、ヒスタミンの放出を抑えてくれます。
これらの成分は単独で摂るのはもちろん、複数を一緒に摂ることで、多方向からの効果的なアプローチが期待できます。そのため最近では、一度に複数の成分が摂れる「複合サプリ」も登場しています。症状が出る前から、予防として利用するのがおすすめです。
食生活の改善で、体のなかから花粉症対策を行うと同時に、その悩みのもとである「花粉」を吸い込まない、家に持ち込まないための対策も重要になります。
この時期の外出は、花粉を吸い込まないよう、マスクやメガネを身に着けるようにし、花粉が付着しにくい素材の洋服を着ましょう。また、髪についた花粉は落としにくいので、帽子をかぶるのもひとつの方法です。乾燥で髪が傷んでいると花粉が付着しやくなるので、髪のケアも念入りに。
完全防御したつもりでも、どこからか付着してしまうやっかいな花粉。そこで徹底したいのが「ついたらすぐに落とす」ことです。花粉を払い落としてから家に入り、すぐに手や顔を洗い、うがいをする習慣を。空気の入れ替えを行う場合も、花粉の飛散が少ない時間帯を選びましょう。毎日の生活習慣が花粉症対策の命運を分けるのです。
知らず知らずのうちに洋服に付着し、家のなかに入り込む花粉。まずは家に持ち込まないことが大切です。そこで活躍するのが、ついてしまった花粉を逃さずキャッチしてくれるスプレーミスト。花粉症の予防や軽減を応援する、お役立ちグッズを賢く活用しましょう。