疾患・特集

【家族が支える】周囲のさりげないサポートが過活動膀胱の症状を軽減

何気ない一言で、外出ができなくなる心のつらさ

尿もれや頻尿といった症状は、なかなか人に相談しにくく、ひとりで悩みを抱え込んでいる人が多い。そんなときに大きな支えになるのが、周囲のさりげないサポートだ。

過活動膀胱に悩む人は、常にトイレや尿もれの不安を抱えており、実際、外出先などではトイレに行く回数も多くなる。しかし、ただでさえつらい症状に悩み、周囲を気にしている人にとって、「トイレばっかり行って…」「またトイレ?」と指摘されるのはつらいものだ。そんな周囲の言葉に傷つき、外出を避けたり、気持ちが沈んでうつ状態になる人も少なくない。

あれ?もしかして…と思ったら

同じ家で生活をしていれば、夜間、頻繁にトイレに行ったり、あわててトイレに行ったりする姿に気づくことも多いはずだ。しかし、本人からはなかなか切り出しにくいデリケートな問題でもある。「あれ?もしかして…」と気づいたときには、家族や周囲の人が理解し、さりげなくサポートしてあげよう。

外出先でトイレを見つけたときや食事の前後など、気づいたときに家族や周囲の人がトイレに寄ることを促したり、一緒に行くように声をかければ、頻繁にトイレに行くことを「恥ずかしい」「申し訳ない」と思わずにすむこともある。周囲を気にするあまり、外出を避けがちになっている人には、そばにいる人の何気ないサポートが、つらい悩みを軽くしてくれるものだ。

周囲の理解と情報提供が重要なカギに

過活動膀胱の症状に悩む人のなかには、それが病気であり、治療によって症状が大幅に軽減されるということを知らない人も多い。このようなケースでは、家族や友人など、周囲が受診を促してあげるのも重要だ。QOLが低下していながらも、泌尿器科の受診をためらう場合には、症状のチェックを勧める、病気であることを知らせる、また女性泌尿器科外来日を調べて教えてあげるなど、できることはいろいろある。そうした情報提供によって「年齢のせい」「仕方ない」という誤解が払拭できれば、それだけで本人が前向きな気持ちになれることがある。つらい悩みをひとりで抱え込んでいる人にとっては、「治療で症状が改善される」ということを知るだけでも、心のあり方に変化がみられ、症状が軽くなる場合もある。

家族や周囲の理解が得られているということは、悩みを抱えている人にとっては大きな支えだ。家族や周囲の人が、「もしかして…?」と思ったら、受診を促すと同時に、心のサポートをしてあげよう。