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私のOAB体験談「長年の悩みも治療で解決!」

「頭のなかにトイレがあるようだった」

辻村節子さん
取材協力:女性尿失禁・性器脱
元患者の会「ひまわり会」会長
辻村節子さん

現在も薬物治療を続けながら、同じ悩みを抱える方の力になりたいと、女性尿失禁・性器脱、元患者の会「ひまわり会」の会長として活動している辻村節子さん。現在は症状もなく、心も体も晴れやかな毎日を過ごしている。しかし治療前は、誰にも相談できず、つらい日々を過ごしていたという。今回は、同じような思いを抱える方へのエールの意味も込めて、その体験を語ってもらった。

過活動膀胱の症状が年齢のせいではなく、病気であるということを知らなかったり、泌尿器科の受診に抵抗があったり、つらい症状を抱えながらも我慢している人は多い。家族や友人にも相談できず、次第に何をしても楽しめなくなってしまうという心への影響も計り知れない。辻村さんの場合もまた、例外ではなかった。

「悲しくて、悲しくて、情けない気持ちでいっぱいに…」

私の場合、4年ほどは病院へも行かず、生理用のナプキンを使って、尿もれを防いでいました。夜も1時間おきにトイレに起きてしまうので、いつも睡眠不足でした。ほかにもトイレのついていない乗り物に乗るときにはとても不安に感じましたし、どこにトイレがあるかわからないようなはじめて行く場所では、常に目でトイレの場所を探していました。次第に尿もれの症状はひどくなっていったのですが、それに加えて、年齢を重ねるごとに、立ったり座ったりする際に、足の関節が痛むようになってきたのです。相変わらずトイレの回数は多く、その都度立ち上がるのは本当に大変だったのですが、あるときついに我慢できず、もらしてしまったのです。誰にも相談できず、本当に悲しくて、悲しくて、情けない気持ちでいっぱいになりました。

日常生活への支障はもちろん、趣味のゴルフも避けるようになり、好きなお芝居を観に行く際にもいつでもトイレに行けるよう、必ず通路側の席を取るなど、何をするにもトイレのことで頭がいっぱいになっていったという辻村さん。その後、肺炎を患い、入院したときに友人のすすめもあって泌尿器科での問診を受けたものの、当時は女性の尿失禁に対する医師の認識も低く、結局治療を受けることはなかった。

治療を受け、つらい症状からも心の問題からも解放

その後辻村さんは、新聞で見た尿失禁治療剤の治験広告を頼りに、1年間治験に参加。治験終了後も1年ほど通院し、薬物療法を続けていたという。しかし、そんなとき辻村さんは、ある新聞記事を目にする。それは大阪中央病院で行われていたTVT手術を紹介する記事だった。すぐに竹山先生のもとを訪れた辻村さんは、問診を受けてはじめて自分の病気が「混合型尿失禁」であることを知った。TVT手術を受けた辻村さんは、長年にわたるつらい症状からも、心の問題からも解放された。すると退院間際の辻村さんに竹山先生から「ひまわり会」設立の話があったという。
※TVT手術とは…腹部から細いガイド針でメッシュ(手術用の網)を尿道の下にくぐらせる術式。これによってメッシュが尿道を支え、尿道のぐらつきを抑えるため、尿が漏れにくくなる。

「元・患者会『ひまわり会』を設立」

患者会『ひまわり会』

竹山先生と出会い、TVT手術を受けたおかげで、症状が改善し、本当に心も体も晴れやかになりました。また、同じような病気を抱えながらも誰にも相談できずに苦しみ、悩んでいる多くの女性たちがたくさんいることも知りました。そんな方たちに尿失禁や性器脱に関する情報を発信していくことで、手を差し伸べられたらと思い、2004年9月、同病院で治療を受けた32名の元患者と患者とともに元・患者会「ひまわり会」を発足させたのです。

「薬を飲んでいるから大丈夫」という安心感も大切

すっかり尿もれの症状もなくなり、晴ればれとした毎日を送っていた辻村さんだったが、手術から1年が経過したころ、またあの症状が現われはじめた。

「再び起こった頻尿、尿意切迫感…」

「ひまわり会」の活動として、尿もれ体験に関する講演を行うことになっていた日のことでした。朝から30分おきにトイレに行きたくなってしまったのです。講演前の緊張から来る尿意切迫感でした。すぐに竹山先生に相談し、薬物療法を開始しました。そのほかに先生には体操もやったほうがいいといわれていますが、今は薬だけで十分症状が抑えられているので、ほかにはなにもしていません。心の問題も非常に大きいので、「薬を飲んでいるから大丈夫」という安心感も、症状を軽くしてくれていると思っています。

最後までお芝居を楽しむことができるように

今でも趣味であるお芝居を観るときには、どんなに良席が空いていても、通路側の席を確保しているという辻村さん。治療前は常にトイレの不安がつきまとい、途中で我慢できずに席を立つこともあったため、心からお芝居を楽しむことができなかった。しかし、今、通路側の席を確保するのはあくまでも「保険」だという。「薬を飲んでいるから大丈夫」「いつでもトイレに行ける」という二重の安心感があるため、途中で席を立つことなく、最後までお芝居を心から楽しむことができるようになったのだ。

「ひとりでも多くの方に、治療できることを知ってもらいたい」

「ひまわり会」の活動の柱のひとつとなっている相談会や電話相談では、過活動膀胱の症状に悩む多くの方の話を聞き、体験者としてのアドバイスもしています。そのなかで若い方でしたが、頻繁にトイレに立てないため、やりたい仕事に就けないという話も聞きました。そんな方にこそ、薬だけで、症状が大幅に改善され、生活も変えられるということを知ってもらいたいと思います。私のように治療を受ければ、長年悩まされた症状からも解放され、心も体も軽くなり、毎日を楽しむことができるのですから。

またその一方でいろいろな方の相談のなかから感じるのは、過活動膀胱が治療できる病気であることを知らないのは、患者ばかりではないということです。泌尿器科や婦人科の先生はもちろんですが、他の診療科の先生にも、もっとこの病気のことを知ってもらい、内科でも治療ができるようになればと思っています。そうなれば、ひとりで悩んで我慢している女性が今よりもっと受診しやすくなると思うのです。

実は症状が残っていたときは、実名で自身の体験を語ることはできなかったという辻村さん。女性にとっては、それほどまでに深刻でデリケートな病気だからこそ、今は体験者・克服者のひとりとして、過活動膀胱に悩む方が少しでも減ることを願い、実名での患者会活動を行っているという。

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