疾患・特集

ガマンできないのは病気のサイン!?

過活動膀胱(OAB)ってどんな病気?

私たちは常に、「オシッコをしたい」という尿意をコントロールしながら生活している。
膀胱にためられた尿が一定量を超えると尿意を感じるが、排尿は脳によってコントロールされているため、反射的に尿が出ることはない。

過活動膀胱とは、膀胱を形つくる筋肉(排尿筋)が自分の意志とは無関係に、勝手に収縮してしまう異常事態だ。脳卒中やパーキンソン病などの病気が原因となるケースもあるが、ほとんどは明らかな原因もなく、とつぜん膀胱が収縮して内圧が上がり、少量でも「尿がたまった」と感じてしまうのだ。

膀胱の排尿筋が過度に活動することから「過活動膀胱」、英語ではOAB(オーエービー)またはOveractive Bladder(オーバーアクティブ ブラッダー)と呼ばれる。欧米では多くの患者が治療を受けている。

つらいのは、心

過活動膀胱になると突然強い尿意が起こり、もれそうな感覚になる(尿意切迫感)。その尿意はたびたび起こり、1日に何回もトイレに行くようになる(頻尿)。眠っている間でさえ尿意で目が覚めたりする。なかにはガマンができずにもらしてしまう(切迫性尿失禁)ケースも。

過活動膀胱がつらいのは、ふだんの生活がままならなくなってしまう点だ。
夏場でも飲み物を控える。どこへ行くにもトイレの場所を確認しないと落ち着かない。映画や旅行も心から楽しめない。スーパーのレジに並んでいるときでさえ、とつぜんの尿意に襲われる。「なぜ私がこんな状態に」と自尊心を傷つけられ、精神的に参ってしまうこともある。
たかがオシッコの問題と片づけられない、とても深刻な悩みだ。

あなたも過活動膀胱(OAB)?

こうした症状を診断するためには、従来、医療機関で「尿流動態検査」が必要とされていたが、現在はドクターの問診が中心だ。「トイレの回数が多いかも…」という自覚症状にもとづいて診断されるので、患者にとっては肉体面でも気持ちの上でも負担が少ないと思われる。
下記の項目のうち、ひとつでも心当たりのある人は過活動膀胱の可能性ありだ。

チェック

  • □ 尿をする回数が多い(日中8回、夜間1回以上がめやす)
  • □ 急に尿がしたくなって、ガマンが難しいことがある(週1回以上がめやす)
  • □ ガマンできずに、尿をもらすことがある

「オシッコの問題なんて、医療機関で真剣にとりあってくれるのだろうか」そんな不安は無用。過活動膀胱をはじめ排尿の問題については治療方法が確立され、つらい症状を改善する手段がある。

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