疾患・特集

ストレス脳とGABAの関係

平常心を保つには…?

私たちは日々何かを考え、怒ったり、笑ったり、喜んだり、悲しんだり、さまざまな感情を味わっている。このとき、脳内では神経細胞のネットワークがフル回転し、無数の信号のやりとりが行われている。信号の受け渡しには「神経伝達物質」と呼ばれる生体内物質が使われているが、信号が伝わる速さは秒速50センチメートルから120メートル、時速にすると423キロメートルともいわれ、タイムラグを感じることはない。

神経伝達物質は百種類以上あるともいわれるが、現在はっきりと確認されているのは25種類程度。代表的なものに、アセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、GABAがあり、これらの脳内伝達物質が絶妙のバランスで保たれているとき、私たちは「平常心」でいることができる。

  • ●アセチルコリン…目覚め、学習、睡眠に関わる
  • ●ノルアドレナリン…目覚め、集中力、積極性、痛みの喪失に関わる
  • ●ドーパミン…快感&陶酔に関わる
  • ●セロトニン…満足、満腹、眠気に関わる
  • ●GABA…脳の興奮を鎮める

GABAは脳の“なだめ役

神経伝達物質のうち、ノルアドレナリンやドーパミンなど、脳を興奮させるアクセルとしてのはたらきをもつものと、GABAのように脳の興奮を抑えるブレーキとしてはたらいているものがある。
アクセルチームが優勢になり過ぎるとストレスを招き、心臓がバクバクしたり、感覚が冴えたり、ささいなことで過剰に反応してしまったりすることもある。このように「フンガー!」と興奮した脳を「ヨシヨシ」となだめてやるのがブレーキチームの役割で、GABAはその代表選手ともいえる存在だ。

GABAのリラックス作用について、こんなデータがある。
水、テアニン、GABAを摂取したときの脳波を調べ、リラックスしているときに出るa波の出現量を比較すると、テアニンとGABAで優位に増えていることがわかった。さらに各成分でb波の出現量とa波の出現量を比較してリラックス効果を調べたところ、GABAで最も高まっていることがわかった。

70mgのGABAを摂取したときの脳波出現量