疾患・特集

ドロドロ血&ボロボロ血管対策は、お早めに

三大死因の2位・3位は血液&血管の不調によるもの

長い血管の中を血液が流れている

私たちの体の中にある血管をすべてつなげると、およそ9万キロメートル。地球を2周する長さに匹敵するともいわれている。この長い血管の中を血液が流れ、全身の細胞に酸素や栄養素を送り届け、不要になった二酸化炭素や老廃物を回収している。
血液がサラサラと流れてくれればいいのだが、栄養過剰やストレスが原因で、血液の中に余分な糖や脂肪、たんぱく質が残ってしまうと、赤血球同士、あるいは血小板同士をくっつかせ、流れにくくなる。これがドロドロ血の正体だ。

いっぽう、血管自体も年齢とともに弾力を失っていく。そこをドロドロ血が無理やり通っていくので、絶えず圧力が加わり、血管内壁に傷がつく。傷口から悪玉コレステロールが入り込み、血管内を狭くしたり、血管そのものを固くしたりして、動脈硬化が起こる。
日本人の三大死因は、がん、心疾患、脳卒中の順となっているが、2位と3位の心疾患と脳卒中の原因は動脈硬化であることが多い。

ドロドロ血&ボロボロ血管は、つねにセットで考えるべき問題。命に関わる大事態を招く前に、自分の力で血液と血管の健康を取り戻そう。

対策のポイント:毎日欠かさず「サ・カ・ナ・ス・キ・ヤ・ネ」

サラサラ血液を手に入れるためには、やはり食生活の見直しが欠かせない。「何を今さら…」と言うなかれ。あなたの命を守るのは、毎日のほんの小さな積み重ね以外にないのだから。
サラサラ成分とよばれるものはいくつかあるが、まずは細かいことにこだわらず、どんな食材を食べたらいいのかを知っておきたい。例えば「サ・カ・ナ・ス・キ・ヤ・ネ」と覚え、各食材を毎日欠かさず食べることを目標にしてみよう。

食材 サラサラ成分 はたらき
サ IPA(特に青魚に含まれる) 血液の凝集を抑え、血栓予防
カ海草 アルギン酸 血糖値やコレステロールを下げる
ナ納豆 納豆キナーゼ 血栓を溶かす
ス クエン酸 血中老廃物の排出を促し、赤血球の膜をしなやかに
キキノコ類 β-グルカン 血糖値やコレステロール値を下げる
ヤ野菜類 食物繊維、
ビタミンA、C、E
コレステロールの吸収抑制。
血管を丈夫にする
ネネギ類 アルキルチオス
リフィネート類
血液の凝集を抑え、血栓予防

大豆がサポート! 血液&血管の健康に活躍

大豆イソフラボンは、血中コレステロール値や血圧を低く抑えることが実験によって立証されているが、さらに悪玉コレステロール(LDL)の低下にもはたらきかけることがわかってきた。大豆イソフラボンは肝臓の細胞にある悪玉コレステロールの受け皿(受容体)をつくる遺伝子のはたらきを活性化するため、血液中の悪玉コレステロールが効率よく肝臓に取り込まれ、スムーズに処理されるというのだ。

また、イソフラボンは血栓抑制にも関わるのではないかとの説もある。血管の一番内側にある細胞を内皮細胞といい、内皮細胞では一酸化窒素という物質がつくられている。一酸化窒素は血管を広げ、血栓をつくるのを防ぐ役割があるが、動物実験によって、大豆イソフラボンが一酸化窒素を作らせる遺伝子のはたらきを高めることがわかった。人体にも有効なのかどうか、研究が進められている。