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都道府県別 花粉症患者ランキング

日本せましといえども地域によって花粉症の実態は異なってくるようです。花粉症患者の数を多い順に、都道府県別のランキングをご紹介します。あなたの住む地域ははたして何位でしょうか?

油断禁物!花粉症はとつぜんやって来る!

花粉症が目に見えるサインもなく「ある日突然」発症するのは、みなさんご存知のとおりです。

花粉を長年吸い続けていると、体内にはIgE(免疫グロブリン)とよばれる抗体がつくられます。IgE抗体肥満細胞とよばれる細胞の表面に存在していて、IgE抗体が許容量を超えるとたちまち肥満細胞が反応し、ヒスタミンなどの化学伝達物質を放出し、「花粉が侵入した!」と周囲に伝えられます。
すると体内では花粉に対抗するために血管が拡張したり、白血球が活性化するなどの炎症反応が起こります。これが花粉症のツライ症状となります。

「去年、無事だったから今年も大丈夫」と安心しているあなた、このメカニズムからするといつ突然、花粉症デビューをしても不思議ではありません。昨年までに多くの花粉を吸い込んでおり、IgE抗体が許容量の限界まで達している恐れもあります。
花粉症におびえる人にとっては、今年も変わらず油断禁物です。

都道府県別、花粉症患者ランキング発表!

「せめて花粉の飛ぶ時期だけでも北海道に…」
そんな花粉症患者の願ってしまうのも無理はありません。北海道では、森林面積におけるスギ人工林面積は1%以下。道南地域をのぞきスギの分布はほとんどないため、スギによる花粉症患者もまれだといいます。
このように、日本せましといえども地域によって花粉症の実態は異なってくるようです。
下記に、花粉症患者の数を多い順に、都道府県別にランキングしました。あなたの住む地域ははたして何位でしょうか?

花粉症患者ランキング

出典:「1998年のアレルギー性鼻炎の全国疫学調査」より
アレルギー科,Vol.15,No.2,2003 科学評論社

このマップを見ると、1位は山梨。僅差で長野、高知、静岡とつづきます。
隣接している県同士でも順位がまったく違うところもあり、これは地形差や戦後の植林率の違いによるものでしょうか。北海道46位、沖縄47位と最下位争いを繰り広げているのはうらやましい限りです。

「今年あなたは花粉症になる」そんな予測は可能?

ある日突然やってくる花粉症。目には見えませんが、体内では確実に変化が起こっているはずです。それらの変化を事前に察知して、今後、花粉症になってしまうかどうかの予測は可能でしょうか?

残念ながら答えはNO。アレルギー症状は個人の体質や環境、生活習慣などに大きく左右されるため、いつ花粉症を発症するかの厳密な予測は、現在の医学をもってしても困難です。しかし、まったく可能性がゼロというわけではありません。
花粉症は、体内に蓄積されたIgE抗体が許容量を超えたときに、体内で反応が起こってアレルギー症状を発症します。そのため、定期的にIgE抗体値を調べることによって、例えばその値が標準よりも異常に高ければ近いうちに花粉症の症状が出る可能性は高い、などといった予測は可能といえるでしょう。

IgE抗体値を調べるおもな検査

IgE RAST検査 IgEの血中総量を調べることで、アレルギー体質の程度がわかります
IgE RIST検査 花粉、ダニ、特定の食品などのアレルゲンごとにIgEを調べる方法。これにより、何に対してアレルギー体質なのかを知ることができます
MAST法 血清中の微量なIgE抗体を血清免疫学的方法で検査。精度が高く、現在ひろく使用されています

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