同じ花粉症に対応した薬でも、市販薬と処方薬ではそれぞれ個性が違っている。 花粉症に対応した薬として市販されている内服薬に入っているのは、"第一世代"と呼ばれる抗ヒスタミン薬。使用してから30分ほどで効果が現れるが、人によっては眠くなるなどの副作用もある。一方、病院で処方される抗ヒスタミン薬は"第二世代"と呼ばれ、より根本的な原因にはたらきかけるもの。眠くなりにくい反面、効果が出るまで数日かかることもあり、予防的に飲むのが効果的とされている。 あくまで一般論だが、【市販薬は症状をおさえるもの】、【処方薬は原因を確認しながら症状を予防するもの】と覚えておくといいだろう。また、市販薬を購入するなら、薬剤師さんのいる店で、現在の症状や、他に飲んでいる薬などを相談しながら選んだり、企業のHPで製品の情報をチェックするようにしよう。薬に付いている添付文書もよく読み、副作用や保管方法を守る習慣を。ただし、花粉症以外の病気で薬を飲んでいる人や薬によりアレルギーを起こしたことがある人などは、やはり専門医を受診すること。
市販薬は、つい自己流で使ってしまうもの。うまく薬の効果を出すために気をつけたいことを、専門医にうかがった。
症状が軽いときには改善することもありますが、花粉飛散量が多いときには別々の治療が必要です。
泣くと鼻水が出ることからわかるように、目と鼻はつながっています。花粉症の症状が軽いときには、どちらかを治療するとよくなることもありますが、花粉の飛散量が多いと予想される年には、別々にきちんと治療しないと、症状がコントロールできない場合も多いと考えられます。
うまく使えば、有用といえます。
疲れ目やドライアイの目薬は、アレルギー反応を抑えません。しかしながら、マイルドに粘膜を保護するので、併用することは問題ありません。特に花粉の多い日にうまく使えば有用といえます。
間違えた使い方により、副作用がでることも。使用回数や期間は、用法を必ず守りましょう。
血管収縮薬は、主に鼻の症状に用いるもの。ひどい鼻づまりのために点鼻薬が鼻の奥まで届かないような場合には、前もって血管収縮剤を使用し、鼻を通してから点鼻薬を使用するとより効果が高まる場合も少なくありません。この薬は即効性がありますが、持続性に乏しいのが特徴です。薬の性質を知らないで、1日に10回も20回もさすようなことをすれば、当然、副作用が出ますし、治療の妨げにもなってしまいます。使用回数や期間は定められた用法を必ず守ることが大切です。
1度開封した薬は、1年を過ぎたら使うのを止めましょう。
1度開封した点鼻薬や点眼薬、内服薬は、1年経ったら使用するのを止めましょう。配合変化を起こしたり、汚染されたりしている可能性があります。使用期限をお守りください。
点鼻薬、点眼薬は使用して問題ありませんが、できるだけ専門医を受診して!
妊婦さんの場合、妊娠7週末までは受精卵が活発に分裂しているため、内服薬の使用は控えたいものですが、この時期であっても、点鼻薬や点眼薬は使用して問題ありません。くしゃみや鼻づまりなどの症状があまりにもひどく、頭がボーっとするなどの妊娠の継続にも問題をきたすような場合には、内服薬を併用したほうがいい場合も。その際は自己判断ではなく、妊婦さんの薬物管理に慣れたアレルギー専門医や耳鼻科医などによく相談することが大事です。
習慣性や依存性は全くありませんので、毎年飲むとだんだん効かなくなるということはないです。
花粉症は、花粉の飛散量と症状にかなり密接な関係があります。ですから花粉が多く飛ぶ年にはかなり症状はきつくなりますが、ある意味、当然のこと。それはお薬が効かないこととは別です。
ほとんど問題ありませんが、念のため、現在使っている薬を医師や薬剤師に伝えましょう。
花粉症の治療に使われる薬には、併用薬について問題のないものがほとんどですが、念のため、現在使っている薬について医師や薬剤師にあらかじめ伝え、併用についてのアドバイスを受けましょう。
花粉症治療の根本は、鼻や目の粘膜に花粉を入れないこと。眼鏡(サングラス)やマスクを利用して、極力花粉を避けることが大前提です。これをやらずに、どんなに良い薬を使用しても、症状はまずコントロールできないと考えてください。特に、スギ花粉の大量飛散が予想される年には、何よりも花粉から身を守ることを考えてください。
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