春先になると、多くの人が悩まされる花粉症。鼻の不快な症状を和らげてくれるとして、注目を集めているのが、ペパーミントに含まれるポリフェノール成分・ミントポリフェノールです。ミントポリフェノールとは?摂り方は?どのようにアレルギー症状に作用するのでしょうか?
ペパーミント
英名:Peppermint
和名:セイヨウハッカ
科名:シソ科
春先になると、多くの人が悩まされる花粉症。鼻の不快な症状を和らげてくれると注目を集めているのが、ペパーミントに含まれるポリフェノール成分・ミントポリフェノールです。
ペパーミント(英名:Peppermint 和名:セイヨウハッカ)とは、地中海及び西アジア原産のシソ科の植物で、主成分の「メントール」はおなじみのスーッとした清涼感のある香り成分。ガムやチョコレートといった菓子類や、化粧品、入浴剤などに利用されているほか、消化不良・食べ過ぎなどの胃腸の機能調整や、殺菌効果に役立つとして、医薬品の材料にも広く使われています。鼻の通りをよくすることから、花粉症対策のアロマオイルとしても定番です。
近年の研究で、これまで香り成分を抽出した後、捨てられていた葉の部分からポリフェノールの一種「ルテオリン-7-O-ルチノサイド」という有効成分があることが発見され、鼻の粘膜の腫れを抑えるなど、アレルギー症状の緩和に役立つことがわかりました。ペパーミントの「香り」以外の成分で花粉症の効果がみとめられたのは、世界でも初めてのことです。
ただし、ミントはミントでも、ペパーミント以外のミント(スペアミントやクールミントなど)には、ほとんど含まれていませんので、念のため。
このミントポリフェノール、水に溶ける物質であることもわかっています。毎日摂取するには、お茶にして飲むのがおすすめです。もちろん、香り成分もお茶に残っているので、2倍のメリットが期待できます。
それでは、ミントポリフェノールがアレルギー症状にどのように作用するのかを見てみましょう。
「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」といった刺激物質をたくさん抱えた肥満細胞に抗体(花粉症の場合はIgE抗体)が付き、そこに抗原(花粉症の場合は花粉)が反応すると、肥満細胞の中から刺激物質が放出され、くしゃみや鼻水・鼻づまり、目のかゆみなどの症状を起こします。これがアレルギー反応ですが、ミントポリフェノールには、ヒスタミンやロイコトリエンが放出されるのを直接抑える作用があると考えられ、実験(*)では、特に鼻づまりやくしゃみなどの鼻の症状の改善が報告されています。また、飲み始めてから2~3週間後に症状が改善された人が多かったことから、予防として、花粉飛散開始の1ヵ月くらい前から続けて摂るのがおすすめのようです。
(*)岡山大学薬学部薬物作用解析学研究室 亀井千晃教授らによる。2003年2月8日~4月5日まで実施。被験者49人をふたつに分け、ペパーミント抽出エキス300mg入りお茶と、エキスの入っていないお茶を飲ませ、鼻の粘膜の様子や自覚症状について調べました。
ミントポリフェノールのほかにも、アレルギー症状を緩和する作用を持つポリフェノール類がいくつかあります。花粉症が心配な人は、春先に向けて積極的に摂ってみてはいかがでしょうか?
成分名 | 含まれる食材 |
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ルテオリン | アオジソ、アカシソ、ローズマリー、セージなど |
ショウガオール | ショウガ |
アップルポリフェノール | りんご |
ロズマリン酸 | 緑茶・紅茶・渋柿など |
テオフィリン | 緑茶など |
ウーロン茶ポリフェノール | ウーロン茶 |
甜茶ポリフェノール | 甜茶 |
ナリンゲニンカルコン | トマト |