疾患・特集

世界で3億人がかかえる喘息とは

世界で3億人がかかえる喘息

喘息

喘息とは、炎症によって気管支などの空気の通り道(気道)が狭くなる病気のこと。突然起こる呼吸困難や咳などの苦しい発作は、ときに命に関わることさえある。さらに発作症状だけでなく、激しいスポーツができない・職業の選択が狭まる・睡眠が妨げられるなどの支障をきたすことも。

現在、世界の喘息患者数は3億人、日本では400万人と報告されており、決してめずらしい病気ではない。しかしいまだに世界中で、突然起こる喘息の重い発作により多くの人が命を落としているのが現状だ。厚生労働省の調査によれば日本国内でも、過去数十年にわたって毎年多くの死者が出ていて、2008年に喘息で亡くなった人は約2,300人と報告されている。

喘息の原因は?

喘息の原因

小児喘息の多くと、成人喘息の半数がダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲンと関係している「アトピー型喘息」といわれる。しかし小児喘息の1割と成人喘息の残りの半数は、アレルゲンが見つからない「非アトピー型喘息」。非アトピー型喘息は、風邪のウイルスやストレス、タバコの煙、香水の強い香りといった外界からの刺激が要因と考えられている。

史上の偉人も喘息もちだった

ところで、「喘息=子どもの病気」というのが、大多数の人の持つ「喘息」のイメージではないだろうか。確かに小児喘息患者の6割程度は寛解*(*発作が出なくなり、日常生活に支障をきたさなくなること)するが、成人後に発症するケースも少なくなく、風邪がきっかけで発見されることもある。

喘息は意外とポピュラーな病気。歌手のテレサ・テンさんや、歴史上の人物では革命家エルネスト・チェ・ゲバラが喘息もちだったことは有名。他にも「四季」を作曲したヴィヴァルディ、「二十四の瞳」を書いた作家壺井栄、「山月記」で知られる中島敦などが喘息もちだったといわれている。