疾患・特集

こんなところにイボ?尖圭コンジローマはこんな病気

「尖圭コンジローマ」というちょっと耳慣れないこの病気。実は、性感染症(STD)のひとつで、性交渉によって感染する可能性があり、性器や肛門のまわりにイボができる病気です。

病気の正体は?

尖圭コンジローマの原因は、主に性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV/ヒト乳頭腫ウイルス)という名前のウイルスにあります。皮膚や粘膜のほんの小さな傷口から侵入して感染してしまうのです。

潜伏期間が長い

また、この病気は潜伏期間が長いうえに、その期間も人によってバラバラ。感染してから症状がでるまでに、3週間から8ヵ月かかるといわれています。そのため、病気に気づいたときには、誰から感染したかわからないなんて困ったこともあります。

気になる症状は?

尖圭コンジローマの症状は、性器や肛門のまわりに白~ピンクまたは褐色のイボができることです。このイボの形にちょっと特徴があります。イボは、例えていうなら、乳首(乳頭状)やカリフラワー、鶏のトサカのような、先端が少し尖っている形をしています。そのため、名前に「尖圭(せんけい)」とついたようです。

やっかいなことに、この病気は潜伏期間が長い上に、イボ以外の痛みやかゆみといった自覚症状がほとんど出ません。だから、感染に気がつきにくく、放っておかれることが多いようです。でも放っておくと、イボが増えたり大きくなったりすることもあります。また、まれに悪性型のウイルスが見つかることもあります。

患者数は、年々増加傾向

日本で年間10万人あたり30人程度発症しているといわれている尖圭コンジローマ。医療機関を受診して見つかるケースは年々増加する傾向にあります。ただ、自分が感染していることに気づいていない人も多いと考えられており、患者数は報告されている人数よりも、ずっと多いと推測されています。

グラフ:尖圭コンジローマ 定点(医療機関)当たり報告数の推移
出典:国立感染症研究所 感染症情報センター・感染症発生動向調査
尖圭コンジローマ 定点(医療機関)当たり報告数の推移
過去10年間との比較グラフ(月報)より2000年1月から2004年9月までのグラフに改変