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腸内の健康の決め手は乳酸菌!腸を制して、美肌も健康度もUP

腸の元気がなぜ美肌と関係があるのでしょうか。また全身の健康になぜ腸が影響を与えるのでしょうか。そのナゾをひもとくカギを握るのが、腸内に定住している細菌「悪玉菌」と「善玉菌」の存在です。腸の元気を左右する「乳酸菌」について紹介します。

腸と美肌の微妙な関係

体の奥深くにある腸と、表面を包む素肌。一見あまり関係がなさそうなものですが、実際には密接に結びついています。いえ、腸は美肌をはじめ、全身の健康に大きく関係していると言ったほうが正しいでしょう。では、なぜ腸が全身に影響を与えるのでしょうか。

腸内で悪玉菌が増えると

そのナゾをひもとくカギを握るのが、腸内に定住している細菌「悪玉菌」と「善玉菌」の存在です。腸内に生息する細菌の数は、いつでもほぼ一定に保たれているので、この2種類の細菌が仲良く棲み分けをしてくれていれば何の問題もないのですが、現実はそうはいきません。どちらの菌も常に領地を拡大しようと戦闘を繰り返しています。

そして、もし善玉菌の勢力が弱まり、悪玉菌が増えだすと、さあ大変!腸内では腐敗が進み、アンモニアやアミン、フェノールといった有害物質が発生してしまうのです。もちろん、発生するだけではありません。有害物質は腸管から吸収されて全身を駆け巡り、肌のブツブツの原因になったり、風邪をひきやすくしたり、さらには心臓などにも悪影響を及ぼしてしまうのです。

なぜ減る!?腸内の善玉菌

腸内には約100兆個、重さにして実に1kg以上の細菌が存在していると言われます。健康からすると、当然、善玉菌が優勢をキープしているのが理想です。ですが、善玉菌はもともと年齢とともに減る傾向があるうえに、食生活の乱れやストレス、過労などによっても減少しやすくなります。

一方の悪玉菌は、悪役らしくしぶといようです。食生活の乱れやストレスの多い生活でも簡単に増えてしまいます。さらに悪玉菌が増えて腸内が腐敗すれば、それをエサにしていっそうパワーアップしてしまうのです。

つまり、私たちの普段の生活が、腸内の善玉菌の増減にダイレクトに影響してしまうということです。みずみずしくハリのある素肌のためにも、健康のためにも、今こそ生活を見直して、積極的に善玉菌を増やしていきましょう。

腸内の健康の決め手は乳酸菌!

キムチなどに含まれる植物性の乳酸菌

積極的に腸内の善玉菌を増やすには、ズバリ「乳酸菌」を摂るのが一番です。ちなみに、「乳酸菌」とは、乳糖やブドウ糖を栄養源に、乳酸などの有機酸をつくる菌の総称のこと。よく聞くビフィズス菌なども乳酸菌の一種です。

また、乳酸菌というと、ヨーグルトなどの乳製品が真っ先に思い浮かびそうですが、こうした動物性の乳酸菌のほかに、キムチや味噌・醤油などに含まれる植物性の乳酸菌もあります。

動物性であれ、植物性であれ、「生きて腸まで届いた乳酸菌」は、善玉菌の増殖を促し、さらには、みずからも悪玉菌を退治するべくはたらく、なんとも頼もしい細菌なのです。

善玉菌を増やすコツには、もうひとつあります。それは、腸内善玉菌の栄養源となる「乳糖」を積極的に摂ること。乳糖は、砂糖などと比べて分解されにくいため、そのまま腸まで届き、シッカリ善玉菌の栄養源となるのです。