カロリーはオーバーしがちなのに、なぜか不足してしまうのが「ミネラル」。現代人のミネラル不足の原因として、見逃せないのが食生活の変化です。現代の食事は、昔に比べてミネラルが少なめ。インスタントやレトルトなど、加工食品の存在も見逃せません。加工食品が多い食事のときにはカルシウム補給を心がけましょう。
一般的に、ペットボトルのミネラルウォーターは外国産の方がミネラル分が多いということをご存知ですか?そもそも私たちが住む日本の土壌は、欧米に比べるとミネラル分がかなり少なく、そのため、日本の土地で育つ水や野菜など食べ物のミネラルも少なめです。
さらに近年は、度重なる化学肥料や農薬の使用によって土のミネラルバランスが崩れています。このため、食べ物自体に含まれているミネラル量も昔に比べて減少してしまっているといいます。日本の土地は、ミネラルが不足しやすい環境なのです。
現代人のミネラル不足の原因として、見逃せないのが食生活の変化です。現代人の食事は昔に比べてミネラルが少なめです。例えば米、小麦、砂糖…。一般的にどんな食品でも、精製が進むほどミネラルは失われていきます。より食べやすくおいしいもの、と食品が精製される一方で、含まれるミネラル量は減少してしまいます。
食品名 | カルシウム | 鉄 | マグネシウム | 亜鉛 | 銅 |
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玄米 精白米 |
9 5 (44%減) | 2.1 0.8 (62%減) | 110 23 (79%減) | 1.8 1.4 (22%減) | 0.27 0.22 (19%減) |
玄穀 小麦粉 |
36 23 (36%減) | 2.9 0.6 (79%減) | 110 12 (89%減) | 1.7 0.3 (82%減) | 0.32 0.09 (72%減) |
黒砂糖 上白糖 |
240 1 (99.5%減) | 4.7 微量 (100%減) | 31 微量 (100%減) | 0.5 微量 (100%減) | 0.24 0.01 (96%減) |
出典:五訂日本食品標準成分表
インスタントやレトルトなど、加工食品の存在も見逃せません。例えば、多くの清涼飲料水や加工食品には、添加物として「リン酸塩」が加えられています。リンもミネラルだが、むしろ過剰摂取が問題になっている栄養素で、多く摂り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまいます。カルシウムとリンは1:1の割合で摂るのが理想です。しかし、現代の食事はリンの摂取量が多く、カルシウムの摂取量が追いついていません。手軽で便利な加工食品は現代の食事には欠かせないものですが、加工食品が多い食事のときにはカルシウム補給を心がけましょう。