疾患・特集

もっと抗酸化!ライフスタイルQ&A

食生活によって活性酸素を減らすことも、逆に増やしてしまうこともあり、それぞれどんな注意が必要かについて解説。また、抗酸化食品をとる際に気をつけるポイントと、抗酸化フルーツとして注目されるザクロ、ライチについても紹介しています。

毎日の食事に取り入れよう

食べ物のなかには活性酸素を除去する「スカベンジャー」としての役割を果たすものもあるため、これらを毎日の食事にカシコク取り入れてみよう。例えば、ビタミンC、E、B2などのビタミン類や、野菜や果物の色素などの成分でもあるポリフェノールを代表とするファイトケミカル、また良質のたんぱく質なども代表的なスカベンジャーとなるので、これらをバランスよく摂ろう!

抗酸化物質を摂る際に注意するポイントは?

ビタミンやファイトケミカルをたっぷり含む野菜や果物、また肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質を食べると、体内で活性酸素を除去するスカベンジャーとしてはたらくため、毎日の食生活の中でこれらをしっかり摂ることを心がけることが大切だ。しかし、調理する際に古くなった油をいつまでも使っていると油が酸化して過酸化脂質になってしまい、これを大量に摂ると代謝の過程で活性酸素が発生してしまい、せっかく抗酸化物質を摂っても意味がなくなってしまう。したがって、炒め物や揚げ物など油を使った調理をする際には、なるべく新しい油を使うように心がけよう

また、食べ物をよく噛んで食べることでも抗酸化のパワーがアップすることをご存知だろうか?唾液には「ペルオキシダーゼ」という活性酸素を消去する酵素が含まれているため、食べるときによく噛んで唾液の分泌を促すことで、活性酸素を発生させる成分(魚や肉などの焼きコゲに含まれる成分など)を除去できることがわかっている。

天然ハーブの抗酸化作用はどのように利用したらよいですか?

シソ科の天然ハーブは抗酸化作用が強く、古くから食品の保存によく使われてきた。なかでもローズマリーはその代表格。食品の保存のほかにも、さまざまな健康・美容効果が知られている。最近ではスーパーなどで簡単に手に入れることもできるので、刻んで料理や薬味に利用しよう。

  • ●肉・魚料理に…表面につけて焼く。または熱した油に入れ香りをうつして調理するのもよい。ローズマリーのほかに、セージ、タイムなども
  • ●薬味に…そのまま、または刻んで使う

また、抗酸化物質は一度に大量に摂るのではなく、必要な量を毎日継続して摂ることも大切。ローズマリー抽出物の揮発成分を空気中に放出する空調機器などもあるので、こちらもうまく利用するとよいだろう。

抗酸化成分いっぱいのフルーツで挙げられた「ザクロ」や「ライチ」とはどんなフルーツ?

ザクロは女性ホルモンのエストロゲンに似たはたらきをすることから、エストロゲンが不足することによって引き起こされる更年期症状などを回復したり、美肌づくりなどにも有効であると、女性を中心に注目されてきた。加えて最近では、ザクロに強い抗酸化作用があることが注目され、活性酸素がもたらす老化や病気などを予防し、いつまでも若々しさを保ちたいという欲求から男女を問わず利用が広がっている。ザクロの強い抗酸化力には、アントシアニンやタンニンなどのポリフェノールが豊富に含まれることが関係している。手軽に摂るなら、ジュースやフルーツソースなどが便利。

ザクロ

ザクロ、ライチまた、ライチも抗酸化力の強いフルーツの代表として知られる。それは、ライチが抗酸化成分の代表格ともいわれるビタミンCを豊富に含み、体内で作られるスカベンジャー「SOD」のはたらきを助けるミネラルや、過酸化脂質を分解するビタミンB2などもバランスよく含んだ食品であるから。ライチは、店頭ではなかなかお目にかかれないことも多いだろうが、最近では冷凍のライチなども手軽に入手できるため、食料品店の冷凍コーナーをチェックしてみてもよいだろう。

公開日:2004年6月14日