疾患・特集

外出中は排ガスやたばこの煙による活性酸素にご用心

自動車の排ガスに含まれる有害物質は、活性酸素を発生させるもととなる。また非喫煙者でも受動喫煙によって活性酸素が発生し、肺の病気や老化を高めるもとになるので要注意。

自動車の排ガスが活性酸素を引き起こす

自動車の通りの多い道路を歩いていると、活性酸素の害にさらされるリスクも高まるということをご存知だろうか?これは、自動車の排ガスに含まれる有害物質のせい。呼吸を通じて排ガス中の窒素酸化物(NOx)が体内に入ると、脂肪を酸化して過酸化脂質を作り出し、組織や細胞の老化やさまざまな病気の発生につながりやすくなる。また同じく排ガス中の有害物質である粒子状物質(PM)も活性酸素の発生に関与することがわかっており、がんの発生や呼吸器疾患を引き起こす要因にもなる。

これらの有害物質はディーゼル車の排ガスに多く含まれているが、窒素酸化物はガソリン車からも排出される。徒歩の場合、自動車交通量の多い道はなるべく避け、ドライバーも渋滞時や駐車中にはアイドリングを控えることが大切だ。

受動喫煙でもたばこによって活性酸素が発生する


たばこの煙によって
活性酸素が増える

職場や公共の場での禁煙・分煙がさかんにいわれ、喫煙者は肩身の狭い思いをしている。それは、たばこの副流煙には、喫煙者が吸う「主流煙」や吐き出す煙よりも強い毒性があるといわれているため。たばこの煙には200種類もの有害物質が含まれ、喫煙者は病気や老化のリスクが高まってしまうが、健康を害すのは本人だけでなく、たばこの副流煙を吸った周囲の人にも影響が及ぶのだ。

たばこの煙を吸い込むと、肺に侵入した有害物質を取り除くために白血球が大量の活性酸素を発生する。また、活性酸素そのものである過酸化水素も含まれており、肺に大きなダメージを与えてしまうのだ。

例えば、肺がんは肺の細胞のDNAが変化することによって起こり、また肺気腫は肺のたんぱく質分解が進み、肺胞壁が破壊されるために引き起こされるが、これらも活性酸素のせい。さらに、体内で抗酸化ビタミンのビタミンCを破壊することも、活性酸素の増加に影響する。

非喫煙者であれば、受動喫煙の可能性の高い場所に近づくのはなるべく避けるようにしよう。

公開日:2004年4月19日