疾患・特集

まだ間に合う!転ばぬ先の予防策

生活習慣病を引き起こさないためには、毎日の生活習慣を改善することが、まずは一次予防策なのです。くどいようですが、見なおすべき生活習慣はまず食事と運動。これらは急に改善したからといって、効果が出るわけではありません。毎日の積み重ねが肝心です。

予防の基本は「食事」「運動」「禁煙」

「生活習慣病」というからには生活習慣の乱れが病気に影響するというもの。特に、食事と運動が大きく関与している。軽度の肥満や高血圧、糖尿病、脂質異常症などの場合、治療として「食事療法」「運動療法」が取り入れられており、それらの療法は普段から行っていれば、生活習慣病の予防になります。
もちろん、そのどちらかだけを実行していてもダメ。食事も運動もセットで行うことが肝心です。
また、死の四重奏に喫煙を加えると「死の五重奏」とも言われるほど、喫煙は悪影響を与えています。生活習慣病を予防するためには、禁煙も欠かせないひとつなのです。

こうやって予防しよう~食事のポイント

食事で気をつけることは、「回数」「時間」「内容」
基本は、「1日三度、決まった時間にバランスのとれた食事をすること」です。ちなみに、「今日は朝食を摂らなかったから、夕食はたくさん食べても過食にはならないだろう」という考えは間違いです。なぜなら、いくら1日の摂取量をオーバーしなくても、間隔を空けるほど飢餓状態が長くなり、一度にたくさん食べるまとめ食いの傾向が強くなるから。まとめ食いは食事量が多い分だけブドウ糖もたくさん作られ、それに伴いインスリンも多量に分泌され、皮下脂肪がつきやすくなる、という悪循環に陥ってしまいます。このような食生活の乱れは、生活習慣病への第一歩。とはいえ、仕事が忙しいビジネスマンは、なかなか決まった時間に野菜たっぷりのバランスのとれた食事が摂れない、というケースも多いでしょう。
そこで、「最低限、これだけは守って!」というポイントを初級・上級別にまとめました。現在、食生活が乱れている人はまず初級から始めてみましょう。

食事ポイント~初級編

■外食では単品より定食メニューを選んで

ラーメンやチャーハン、カツ丼といった単品メニューは高カロリー。しかも、使われている食材の数が少ないため、食べるならできるだけ定食メニューを選びましょう。特に、野菜が1~2品ついているものがおすすめです。

■ファーストフードやコンビニ弁当には必ず野菜をプラス

ファーストフードやコンビニ弁当には脂質や炭水化物が多く、栄養面から見るとバランスが悪い食事です。その分、野菜か豆製品を追加するように心がけましょう。ほうれん草のおひたしやきんぴらごぼう、ひじきや五目豆などがおすすめです。

食事ポイント~上級編

■1日30品目を目標に

バランスのとれた食事を、と言われても、どうすればいいか分からない時には、「1日30品目」食べるようにしましょう。マヨネーズやからしなどの調味料は除き、食材で30品目食べるようにすれば、おのずとバランスのとれた食事になります。

■毎食の量を決めよう

食事の量が多いとどうしても肥満を招きやすくなります。1日の摂取量は1,800kcal程度がベスト。とはいえ、毎回カロリー計算をするのは大変なので、だいたい毎食の量を決めておくと分かりやすくなります。

■週に3~4回は魚メニューを

肉ばかり食べているのはダメ。魚、特に青魚は血液をサラサラにしてくれる作用があります。サバ、イワシ、アジ、サンマなどの背の青い魚を積極的に食べましょう。

■食物繊維の多い野菜を食べよう

野菜にはビタミンやミネラルがいっぱいです。これらの栄養素は血管の老化を防ぎ、動脈硬化の予防にもつながります。また、食物繊維は腸のお掃除屋さんとも言われるほど、腸内の余分な中性脂肪や糖質を吸着して一緒に排泄してくれます。1日に約300gの野菜(緑黄色野菜、淡色野菜、食物繊維が多い野菜など)を摂るようにしましょう。

こうやって予防しよう~運動のポイント

食事だけでは予防不足。運動も併せて行う必要がある。「日頃から運動不足で、何かやったほうがいいことは分かっているんだけど…、忙しくてなかなかできない」という方、ぜひ運動することをおすすめします。なぜなら、継続してやらなければ効果はないからです。
そのためには、ハードな運動プログラムを組むより、無理なく続けられる運動を見つけるのが得策です。

何といってもウォーキング!1日30分を目標に

手軽にできる有酸素運動といえば、やっぱりウォーキング。1日30分のウォーキングが生活習慣病予防には効果的。通勤の時、買物の時などに意識的に「はや歩き」を心がけましょう。いつもより歩幅を広く、腕を振って歩くと効果大です。早歩きを30分行うと、約100kcal消費されます。

公開日:2003年2月3日