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何故、生活習慣病という名称に変わったの?

1996年、「成人病」という名称から「生活習慣病」に改められることになりました。それは何故なのでしょうか?

名称は病気の原因を表わすもの

成人病」と言えば、糖尿病や高血圧などがパッと思い浮かぶほど一般化した病名で、約40年に渡り使用されていました。
しかし1996年、その慣れ親しんだ「成人病」という名称から、ちょっと語呂が悪くて読みにくい「生活習慣病」に改められることとなりました。それは何故なのでしょうか?

「最近では子どもが糖尿病にかかるケースが多くなったというのニュースも多いから、大人だけがかかる病気というイメージの「成人病」という名称をやめたのかもしれない…」

漠然とそんなふうに思ってはいませんか?
では何故「生活習慣病」という名称が選ばれたのでしょうか?その理由は、かつて「成人病」と呼ばれていたものの原因がはっきりしてきたことにありました。

成人病

40歳前後から急に死亡率が高くなり、しかも全死因に占める割合が高い疾病のことをさしていました。「中高年になれば、かかってしまうもの」というように、主に加齢が原因と考えられていました。

生活習慣病

成人病は、ときには子どもの頃からの生活習慣の積み重ねが発症や病状の進行に深く関与していることが明らかになりました。つまり年齢を超えて毎日の生活習慣が問題ということです。生活習慣を改善できれば、疾病の発症や進行を防ぐことができます。これを広く意識してもらうため、厚生労働省は「生活習慣病」という名称に変えることにしました。

生活習慣とは何だろう?

生活習慣病の発症や進行の原因となる生活習慣。しかしそれは具体的にどんなもので、病気にどう関わっているのでしょうか?まず病気の原因となる3つの要素について見てみましょう。

病気を作る3つの原因

  • ●生活習慣要因
    食生活・運動・休養・睡眠・精神活動・飲酒・喫煙など。それらにより、自分の体に無意識に無理をさせることとなる。
  • ●外部環境要因
    病原体、有害物質、事故、ストレッサーなど。本人の意思に関わらず外からやってくるもの。
  • ●遺伝的要因
    遺伝子異常、加齢など。

生活習慣要因は自分自身で改善するしかありません。
しかも生活習慣要因は全要因の60%を占めています。禁煙や節酒・禁酒、休養、適度な有酸素運動、バランスのとれた食生活などがあなたのがんの予防につながるかもしれないのです。

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