疾患・特集

ホルモンのバランス、とれていますか?

ホルモンが必要なら、じゃんじゃん補えばいい…そう考えるのは短絡的です。ホルモンにとって大切なのは何よりもバランス。バランスが崩れると、更年期障害や物忘れ、性機能の低下など深刻なトラブルを招くことにつながります。

男女でこんなに違う!ホルモン曲線

男性も女性も、それぞれの性ホルモンの分泌が体の性質を決定します。男性ホルモンの場合、思春期に増えた分泌量が30代でピークを迎え、65歳くらいまでほぼ横ばいが続いた後緩やかに減少していくのに対し、女性ホルモンは20~30代でピークを迎えた後、50代で急激に減少してしまいます。女性ホルモンのバランスの乱れによる生理不順や更年期障害はわりと聞きますが、男性ホルモンの異常により引き起こされる病気は少ないようです。女性ホルモンを体内で多く分泌している女性は、どうしてもその影響を受けやすくなってしまいます。

ホルモン曲線

大切なのはホルモンのバランス

男性 男性「最近、精力が減退してきたから男性ホルモンを飲めばいい」

女性 女性「いつまでも若々しくいたいから、女性ホルモンをせっせと摂りましょう」

ホルモンの作用を知ると、ついこんな風に考えがちですが、それはあまりに短絡的というものです。例えば、病気でもないのに男性ホルモンを外から多量に摂取すると、体内での分泌が抑制されてしまい、むしろ精力の減退につながるといいます。また女性ホルモンのうち、エストロゲンだけが暴走すると乳がんや卵巣がんの遠因のひとつになることも知られています。大切なのは自分自身に組み込まれているホルモンバランスを整えることです。

ホルモンのバランスが崩れるとどうなる?

男性ホルモンも女性ホルモンも、微妙な環境の変化でバランスを崩してしまうもの。睡眠不足、不規則な生活、運動不足、ストレス、肥満、急激なダイエットなどによりホルモンのバランスが崩れると、体にさまざまな不調が発生します

更年期障害

閉経前後の女性のホルモンバランスの乱れがさまざまな不定愁訴になって現れます。いわゆる「更年期障害」と呼ばれ、いらいらや疲労感、顔のほてりや肩こりなどの症状があります。一般的に45~55歳くらいの女性に多く見られますが、最近では食生活や生活習慣の乱れから30代でも「若年性更年期障害」が増えてきているといいます。 「更年期障害は女性だけのもの」とたかをくくってはいけません。男性にももちろん、男性ホルモンのバランスの乱れから更年期障害はやってくるのだ。心してホルモンバランスを保ちましょう。

物忘れ

記憶力を司るのは女性ホルモンです。男女とも、加齢に従い女性ホルモンの分泌が減少してくるとだんだん物忘れが多くなってきます。女性ホルモン(エストロゲン)の投与により、アルツハイマーの進行が止まったという症例もあります。

性機能の低下

男女ともに性欲そのものを左右するのは男性ホルモンです。男性ホルモンのバランスが乱れると性欲が減退することがあります。また女性の場合、女性ホルモンのバランスが乱れることによって生理不順を招き、性機能が低下してしまいます。

ホルモンコラム:彼と彼女のすれ違い…これってホルモンのせい?

ホルモンのバランス

付き合いだした頃は毎日が楽しくて仕方がないのに、やがて訪れるすれ違いの日々。男は「女がわからない」と言うし、女は「男についていけない」と言う。もしかしてこれもホルモンのなせる業なのでしょうか?
脳の構造は性ホルモンに影響されて、男女差があるといいます。一般的に女性は「左脳(理性)」と「右脳(感情)」を結ぶパイプラインが発達しているため喜怒哀楽を感じやすく、男性は「右脳(感情)」の方の情報が少ないため理論的であるとされていますが、果たして…?