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予防と治療
見出しまずは「予防」すること

まずは生活習慣を改善し、肥満を解消しよう!多額の医療費が必要であると予測される今後の高齢化社会において、今の肥満解消は今後の医療費の削減にもつながることになるだろう。
もちろん、医療費削減のためだけでなく、病気にならないことがひとりひとりにとって大切なのは言うまでもない。健康で長生きするためにも肥満の解消は重要なことなのである。
<「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の取り組み>
政府キャンペーンで「健康日本21」という取り組みがある。これは、10年間に渡って展開されていく予定のもので、生活習慣病の一次予防を重視し、健康づくり支援のための環境を整備する方針で行われているものだ。
例えば食生活で言えば、1日当たりの脂肪エネルギー比率の低下、食塩摂取量の減少、朝食の欠食率の低下など、2010年までに目指す目標を立てる。それに向けて行政機関をはじめ、医療機関、マスメディア、企業などの様々な関係者が個人の健康づくりを支援していく運動である。目標値の中には、2010年時点の糖尿病患者数を、1,000万人以下に抑えることも盛り込まれている。

見出し食事療法は重要

肥満症の基本となる治療は食事療法である。肥満学会のマニュアルによると、食事療法の内容は(1)摂取エネルギーの設定 (2)栄養素の配分 (3)食習慣の改善から成る。 バランスの取れた規則正しい食事イメージ

■1日の摂取エネルギーとは?
まず、1日に必要なエネルギー量は、身長から考えた標準体重と、生活活動強度(体重1kg当たりに必要なエネルギー)から計算する。それにしたがって、1日のエネルギー量を超えないように、バランスの取れた規則正しい食事をすることが大事だ。

標準体重の求め方:標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
生活活動強度
:軽い(事務的・管理的な仕事、幼児のいない専業主婦)…25〜30kcal
:中程度(製造・加工業、販売業、サービス業などの仕事、幼児のいる主婦)…30〜35kcal
:やや重い(農業、漁業、建設作業)…35〜40kcal
:重い(農繁期の農作業、林業、プロスポーツ選手)…40kcal〜

⇒1日に必要なエネルギー=標準体重(kg)×生活活動強度(kcal)
(例えば、身長170cm、生活活動強度が軽い人の場合、  
標準体重=1.7×1.7×22=63.58
よって1日に必要なエネルギー=63.58×25〜30≒1590kcal〜1907kcal
(出典:肥満・肥満症の指導マニュアル 日本肥満学会編集委員会)

■病院ではどんな指導をしてもらえる?
専門医や専門機関に相談してみよう。ちなみに、大阪大学医学部付属病院では、次のような指導を行っている。
<肥満症の治療:(大阪大学医学部付属病院の一例)>
まず、来院した「太った人」が「肥満症」であるか否かをチェックする。そうしてその人の隠れた病気をみつける。何もなければ、単なる「肥満」なので治療はしない。そして、「肥満症」であると診断された患者さんは、その重症度により場合によっては入院治療することがある。それは、緊急で減量の必要があるような場合であり、例えば「睡眠時無呼吸症候群」がある人などである。そうした場合は、超低エネルギー食治療などを行って、速やかに体重減少して頂くこともある。その際は、不足しがちなビタミンやミネラルなどを補う。治療の目標は、標準体重まで減量させることではなく、「肥満症」から単なる「肥満」にすることである。

見出し運動療法も効果的

食事療法に運動をあわせて行えば、筋肉を落とさず、さらに脂肪を燃焼することができるのだ。とくに、内臓脂肪は運動で減りやすく、これもまた欠かせない。

■どんな運動がいい?
短距離走や重量あげのような無酸素運動は、筋力を増やし、また、ウォーキングなどの有酸素運動は、脂肪を燃やすことがわかっている。
肥満学会編集委員がお勧めしている運動としては、歩行、ジョギング、ラジオ体操、水泳などの全身を使う有酸素運動がある。また、1日1万歩以上の歩行も目標とされている。

■どのくらいの運動がいいの?
トレーニングは週に3回以上行う必要がある。軽いものなら毎日から1日おきとし、また休日などを利用して十分な時間をとるのがよいとされている。
運動の強度については、いきなり強い運動をしないこと。軽い運動から始めて徐々にならしていこう。
<運動交換表> 注:1単位は80kcal相当
運動の強さ 1単位当たりの時間運動
(エネルギー消費量 kcal/kg/分)
I.非常に軽い 30分間くらい続けて1単位 散歩(0.0464)
乗物(電車、バス立位)(0.0375)
炊事(0.0481)
家事(洗濯、掃除)(0.0471〜0.0499)
一般事務(0.0304)
買物(0.0481)
体操(軽い)(0.0552)
II.軽い 20分間くらい続けて1単位 歩行(70m/分)(0.0623)
入浴(0.0606)
階段(降る)(0.0658)
ぞうきんがけ(0.0676)
ラジオ体操(0.0552〜0.1083)
自転車(平地)(0.0658)
ゴルフ(平均)(0.0835)
III.中等度 10分間くらい続けて1単位ジョギング(軽い)(0.1384)
階段(昇る)(0.1349)
自転車(坂道)(0.1472)
歩くスキー(0.0782〜0.1348)
スケート(0.1437)
バレーボール(0.1437)
登山(0.1048〜0.1508)
テニス(練習)(0.1437)
IV.強い 5分間くらい続けて1単位 マラソン(0.2959)
なわ飛び(0.2667)
バスケットボール(0.2588)
ラグビー(フォワード)(0.2234)
(出典:肥満・肥満症の指導マニュアル 日本肥満学会編集委員会)

見出し薬物療法は、今後の課題

食事療法や運動療法以外に、薬物療法もあるが、日本では「肥満症」に適応をもつ薬はまだないため、 これは、今後取り組む課題なのである。

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