疾患・特集

これでバッチリ!口臭予防

口臭を予防する基本はやっぱり歯みがき。でも、もうひとつしっかり噛んで食べることも大切です。なぜなら唾液には、殺菌作用があるからです。

食事はよく噛んで&食後の歯みがきをしっかりと

口臭の原因の多くは、口の中に残った食べ物のカス。これが原因で虫歯や歯周病になって、ひどい臭いになってしまうこともある。したがって、毎食後の歯みがきをしっかりやるように心がけることで、口臭とサヨナラできるのだ。

もう1点は、唾液の分泌力をアップさせること。唾液には口の中の細菌を撃退する殺菌作用もあるのだ。唾液の分泌が多いか少ないかは個人差があるが、少ない人なりに増やす方法はある。それは、よく噛んで食べること。いわゆる咀嚼(そしゃく)運動(食物をかみ砕く運動)が唾液の分泌をうながすからである。

まず、きちんと歯をみがけているかどうか確かめるために、歯みがき後に歯垢染色液(プラークチェック液)を歯に塗ってみよう。赤い色が残ったところは、みがき残しがある、歯みがき苦手地点だ。次からは苦手地点も意識してみがくようにしよう。歯垢染色液はドラッグストアなどで市販されている。

朝の歯みがき時に舌の掃除もやっておこう

食べ物のカスは、歯や歯茎だけにつくわけではない。微量ではあるが、舌の表面にたまることもある。これが舌苔(ぜったい)と呼ばれるもの。舌苔は寝ている間に作られるので、朝の歯みがき時にとっておくことをおすすめ。
とり方は下のようにタオルを使って3~4回こする程度。面倒くさいからと、歯ブラシを使ったりしないこと。舌の表面を傷つけてしまうことがあるからだ。

舌苔のとりかた

  • タオルを人指し指に、少し巻き付けるようにかぶせる
  • 舌を口からベロンと出し、反対の手でつまんで固定する
  • 舌の片側ずつ、奥の方から舌先に向け3~4回こする(のどの奥の方までは舌苔はつかないので、やる必要なし)

口臭除去のうがい液やガムなどを利用する

口臭を消すための基本はとにかく歯をみがくこと。しかし、仕事が忙しいなど、歯みがきに割く時間がないことも多い。そんなときは、口臭を消すガムやキャンディー、うがい液などを利用しよう。
食事の3時間後や空腹時、緊張してのどが渇いたときなど、口の中が臭いそうなタイミングに、キシリトール入りなど消臭作用のあるガムをかんで、口の臭いを消すとともに唾液の分泌を促すのも効果あり。

また、こういった市販品のほかに、食後や食間に緑茶で一息というのも手軽な方法。緑茶に含まれるフラボノイドという物質には、消臭効果があるのだ。

口臭が気になるのは本人だけ?自臭症

口臭が気になって、口に手をあてて話すのが癖になったり、人と話すこと自体が苦痛になって外出もできないという人が増えている。実際には、それほど口臭がないにもかかわらずである。専門家の間では、このようなケースを「自臭症」と呼んでいる。あなたの場合はどうだろうか?

まずは、コップなどを使って自分の息をチェックしてみて、口の中のケアに専念してみよう。きちんとした歯みがきを欠かさず虫歯や歯周病もない、鼻の病気や内科系の病気もない、たばこやアルコールもほとんど飲まない。それなのに、やはり口臭が気になり、そのせいで人間関係もうまくいかないと考えてしまうのであれば、「自臭症」ということも考えられる。

この場合、人間関係などがうまくいかないのは、口臭以外にも原因があるのではないかを考えてみて。それでもやはり、口臭以外に原因が考えられない場合は、口腔外科など専門医に相談してみよう。

公開日:2001年10月29日