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お正月料理を楽しもう!お屠蘇(とそ)、お雑煮、七草粥の由来

おせち料理以外の食物も、お正月特有の料理となったのには理由があります。昔の人達の願いに心をはせてみませんか。

お屠蘇は昔の風邪予防薬

お屠蘇のルーツは中国にアリ。唐時代の医者が、流行風邪予防のために作ったのが、おいしいと 流行になったのが最初らしい。それがなぜ、お正月の飲みものになったのか。
実は、この医者が住んでいた家の名前が「屠蘇庵」といったそう。屠蘇とは「鬼気を屠絶し人魂を蘇生させる」ということで、ここから、1年中の邪気を払い、延命長寿を願うために飲む酒となったらしい。

ちなみに屠蘇は、薬局などで売っている屠蘇散(肉桂、大黄、百じゅつ、山椒、桔梗、乾姜などの薬草を合せたもの)を、5~6時間水にひたしてから取り出し、清酒(みりんを加えることもある)を加えて作る。

無病息災を祈りながら、年神さまといただくお雑煮

お雑煮はもともと、年神さまに供えた食べ物を、新年1番に汲んだ水と、新年の神聖な火で雑多に煮て食したもの。年神さまと一緒にそれをいただき、1年の無病息災を祈ったらしい。
お雑煮が地方によって様々なのは、各地で採れた特産をそれぞれ供物にしていたからなのだ。

水道の水にガスコンロという世の中では、今年1番の水や火にありがたみはないかもしれない。でも、こういうことが当たり前になった現在を年神さまに感謝しつつ、 お雑煮をすするのもいいかも。

七草がゆには魔除けの意味が

七草がゆは、1月7日の人日(じんじつ)の節句に食べる。昔は、6日年取りといって、七日を折り日として新しい年が始まると考えたため、この日に「1年間、外敵が来ないように」と祈ったのだ。

平安時代からの風習であるから、外敵は人間だけではない。魔除けを願う気持ちの方が強かった。したがって、儀式に供する七草粥の作り方も大変だった。例えば包丁で七草を刻むときに、まな板を7回たたいたり、「七草なずな、唐土の鳥が日本の土地にわたらぬ先に、七草なずな」という言葉を7回唱えたりしていたそう。

最近では、こういった意味合いはまったくなくなり、「おせち料理でいっぱいになった胃を休める」ために七草粥を食べるという話が一般的になっている。

七草は、せり、なずな(ぺんぺん草)、ごぎょう、はこべら、仏の座(田平子)、すずな、すずしろ(大根)のこと。お粥は、ごはんと一緒に市販のだし(和風でも中華でも好みに合わせて)で煮るだけでOKだ。

参考文献:「華やかな初春 祝・美・膳」白井操 ひかりのくに社
「四訂 食品成分表 こんなときこの食べ物が効く」木下 勤 ブックマン社
「続 こんなときこの食べ物が効く」木下 勤 ブックマン社

公開日:2000年12月25日