疾患・特集

便秘タイプをチェックしよう

便秘は、その原因と症状によっていくつかのタイプに分けることができます。今回まとめているのは、生活を変えれば治ることが多い便秘です。このような生活をしていないのに便秘気味という人は、もともとの体質や妊娠、何らかの疾病などが原因であることも考えられます。

腸を鍛えれば治る! 弛緩(しかん)性便秘

普段の生活

  • 食事は肉中心、野菜はあまり食べない
  • 普段、運動不足気味
  • 便意を感じてもトイレに行く暇がない

便秘の症状

便が出る頻度が少ない(毎日出ることはあまりない)。便を出すのに苦労する。 便は固くて黒っぽいことが多い。

日本人にもっとも多いタイプの便秘です。大腸の筋肉がゆるんで、便を外に出そうとする腸の「ぜんどう運動」が弱くなってしまったために起こります。
主に次のような原因で起こります。

  • 肉が多く野菜が少ない食生活で、便の量が少なくなります。その分ぜんどう運動を起こす刺激が減ります。ダイエットで極端に食べる量を減らしても起こります。
  • 運動不足で腹筋がゆるんで便を外に出す力が弱くなります。
  • 便意を感じても忙しくてトイレに行かない生活が続くことで、便意を感じる力が弱くなります。

従って、これらの生活習慣を改めることによって、「便を捕らえて押し出す力」「便を外に出す力」「便意を脳に伝える力」というような腸のはたらきを回復させることで治る可能性が高いようです。

なお、生活習慣+病気が原因で起こる便秘もあります。「突然便秘になってしまった」「便に血が付いていたり、色がおかしい」ような場合は、病院で検査を受けるようにしましょう。

ストレス解消の道を探そう!過敏性腸症候群

普段の生活

  • 仕事などでストレスを感じることが多い
  • 生活リズムが不規則である

便秘の症状

食後に強い腹痛をともなう便意を感じる。便の量が少なくコロコロしていたり、便に粘液のような ものがついていることがある。また、何日か便秘の状態が続いた後、下痢を起こすことがある。

ストレスなどが原因で自律神経が乱れるため、大腸のぜんどう運動がおかしくなり起こる便秘です。
ぜんどう運動が強すぎて、腸の一部がけいれんを起こしてくびれてしまい、そこを便が通りにくくなるため、腹痛などの症状があります。このため「けいれん性便秘」とも呼ばれていて、比較的若い人に多いようです。
これを治すには、ストレスを取り除くことが一番です。スポーツや趣味など、日ごろのストレス解消法を自分で見つけられればいいのですが、なかなかそうはいかないという人は、病院などで相談することをおすすめします。

下剤はなるべく使わないで!直腸型便秘

普段の生活

  • 下剤をよく利用している

便秘の症状

大きなコロコロの便が出ることが多い

下剤や浣腸の使い過ぎで、本来持っている「便意を脳に伝える力」や「便を捕らえて押し出す力」が弱くなってしまったために起こる便秘です。おおもとの原因は、弛緩(しかん)性便秘であることが多いので、下剤や浣腸に頼らず、生活を変えることで便秘解消させる努力が必要です。