便秘は、その原因と症状によっていくつかのタイプに分けることができます。今回まとめているのは、生活を変えれば治ることが多い便秘です。このような生活をしていないのに便秘気味という人は、もともとの体質や妊娠、何らかの疾病などが原因であることも考えられます。
便が出る頻度が少ない(毎日出ることはあまりない)。便を出すのに苦労する。 便は固くて黒っぽいことが多い。
日本人にもっとも多いタイプの便秘です。大腸の筋肉がゆるんで、便を外に出そうとする腸の「ぜんどう運動」が弱くなってしまったために起こります。
主に次のような原因で起こります。
従って、これらの生活習慣を改めることによって、「便を捕らえて押し出す力」「便を外に出す力」「便意を脳に伝える力」というような腸のはたらきを回復させることで治る可能性が高いようです。
なお、生活習慣+病気が原因で起こる便秘もあります。「突然便秘になってしまった」「便に血が付いていたり、色がおかしい」ような場合は、病院で検査を受けるようにしましょう。
食後に強い腹痛をともなう便意を感じる。便の量が少なくコロコロしていたり、便に粘液のような ものがついていることがある。また、何日か便秘の状態が続いた後、下痢を起こすことがある。
ストレスなどが原因で自律神経が乱れるため、大腸のぜんどう運動がおかしくなり起こる便秘です。
ぜんどう運動が強すぎて、腸の一部がけいれんを起こしてくびれてしまい、そこを便が通りにくくなるため、腹痛などの症状があります。このため「けいれん性便秘」とも呼ばれていて、比較的若い人に多いようです。
これを治すには、ストレスを取り除くことが一番です。スポーツや趣味など、日ごろのストレス解消法を自分で見つけられればいいのですが、なかなかそうはいかないという人は、病院などで相談することをおすすめします。
大きなコロコロの便が出ることが多い
下剤や浣腸の使い過ぎで、本来持っている「便意を脳に伝える力」や「便を捕らえて押し出す力」が弱くなってしまったために起こる便秘です。おおもとの原因は、弛緩(しかん)性便秘であることが多いので、下剤や浣腸に頼らず、生活を変えることで便秘解消させる努力が必要です。