疾患・特集

老化を急ピッチに進める肌の敵「乾燥」

肌の老化を早める要因のうち、「乾燥」「強い刺激」「食生活」について考えます。

あなたの肌、水分を欲しがっている?

紫外線の恐ろしさについては、老化を急ピッチに進める肌の敵「紫外線」で紹介したとおりですが、同様に 乾燥も肌の大敵です。例えば洗顔剤で顔を洗うと、肌がつっぱった感じがするでしょう。これは、洗顔によって皮脂が取られ、角質層の水分を保つ物質(天然保湿因子=NMF、細胞間脂質)も溶け出して、肌の水分が蒸散される状態になるため。このまま放置すると小じわのもとになります。
また、スクラブ洗顔・パック・美顔マッサージのやりすぎ、フェイスブラシの使いすぎなど、強い刺激も肌には迷惑となります。角質層(一番外側にあって皮膚を守っている)を傷め、水分が蒸散してシワができやすくなるうえ、炎症を起こしやすくなりシミや黒ずみの原因にもなります。角質層はセロテープで簡単にはがれてしまうような、デリケートなものなのです。

偏った食生活も老化を促進する

肌の新陳代謝、そして紫外線から体を守ろうとする物質の原料になるのは、各種の栄養素です。バランスの悪い食生活でこうした栄養素が不足すると、紫外線に対する抵抗力が低下し、シミやシワができやすくなります。肌のハリや弾力、みずみずしさも失われてしまいます。糖分や脂肪(特にリノール酸)の摂りすぎも問題です。

シミやシワは、一度できたら治らないの?

シミができたら?

シミができて慌てて美白化粧品を使い始める人も多いことでしょう。美白化粧品などには確かにシミに効く有効成分が入っています。ただし、シミの種類によって効くもの効かないものがありますし、そもそも化粧品というのは「治す」ものではありません。過度の期待はせず、「少しでも予防・改善できれば」ぐらいに考えたほうがいいようです。
エステも肌を活性化させるにはいいでしょう。結果的にシミが目立たなくなることもあるようです。ただしこれも、根本的に治すという「治療」ではありません。
きちんと治したいなら、皮膚科、美容整形外科などに相談してみるとよいでしょう。飲み薬(ビタミンC・E剤や抗プラスミン剤など)や塗り薬(ビタミンA誘導体など)、レーザー治療など、方法はいろいろあります(飲み薬や塗り薬は限界があります)。

シワができたら?

小ジワ(浅いシワ)ならスキンケアで元に戻すことは可能です。コラーゲンやフルーツ酸入りの美容液・化粧水で試してみるといいでしょう。皮膚科では塗り薬を処方してもらえます。
一方、深いシワとなるとスキンケアやエステでは無理です。どうしても治したい場合は、レーザー治療やシワ取り美容手術に頼ることになります。

いずれにせよ、まずは予防、できてしまったら早めに手を打つことが大切だ。