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ビタミン剤を上手に使おう!効果的な飲み方

ビタミン剤のより効果的な飲み方や、飲みすぎた時の過剰症、飲み合わせなどについて説明します。

ビタミン剤は飲み過ぎても害はない?

水溶性と脂溶性

たくさん摂れば摂るほど健康になれる、何となくそんな気がしてくるビタミンですが、摂り過ぎは禁物です。
ビタミンには「水溶性」と「脂溶性」があります。水溶性ビタミンは、体内に入ってから余分なものは数時間で尿などで排泄されてしまいますが、脂溶性ビタミンの場合は使いきれなかった分が体内に蓄積され、過剰症という形でさまざまな障害を起こすことになります。ビタミンAは頭痛や肝機能障害、Dは腎臓障害、Kは肝機能障害などです(ビタミンEだけは過剰症の心配がないといわれています)。

ふつうに食事からビタミンを摂る場合は、過剰症の心配はまずありませんが、ビタミン剤は手軽なだけについ飲み過ぎてしまうこともあり得るので、気をつけましょう。

ビタミン剤の効果的な飲み方とは?

まとめて飲むのはNG

  • 食後に飲もう
    胃腸の消化活動が活発な「食後」に飲んだほうが、ビタミンが吸収されやすくなります。とくにビタミンA、D、Eといった脂溶性ビタミンは、食事に含まれる脂肪分が吸収を助けてくれるので、必ず食後に飲むとよいでしょう。
  • まとめて飲むより、1日3回に分けよう
    1回の摂取で体が使うビタミンの量は限られているので、それを超える量を摂っても、それ以上の効果は期待できません。したがって、1日1回まとめて飲むよりも、朝・昼・晩と1日3回に小分けしてコンスタントに飲むほうがよいのです。
  • 飲み合わせに注意
    例えばビタミンB1はアルカリに弱いので、重曹(炭酸水素ナトリウム)入りの胃腸薬とは一緒に飲まないようにしたほうがよいでしょう(重曹を飲むと血液中のアルカリ度が高くなる)。また腎臓疾患や痛風などの持病を持っている人は、ビタミンCを大量に摂ると病状を悪化させるおそれがあるので、事前に医師に相談することです。

医薬品と健康食品はどう違う?

ビタミン剤は、大きくは医薬品扱いのものと食品扱いのものに分けられます。医薬品のほうは、どういう配合ならビタミン剤として認可されるかの厳しい基準があり、成分・量・用法・効能などの表示が義務付けられています。それに対して、いわゆる健康食品(栄養強化食品)の場合は、成分量などの基準が明確でなく、内容表示もまちまちです。
両者ともパッケージは似ていますが、医薬品のほうには「医薬品」と明示されているので、見ればすぐわかるでしょう。なお、健康食品については、(財)日本健康食品協会の認定マークがついたもの(健康食品業界の自主規制のようなもの)を選ぶのもひとつの目安になるでしょう。