疾患・特集

お酒に飲まれない!自己調整のコツ

今回は、あなたのお酒の飲み方が「百薬の長タイプ」か「万病のもとタイプ」かを診断します。お酒とうまく付き合う道を探りましょう。

酒席での飲み方「危険度」チェック

解説

1. 空腹状態でたくさん飲むのは×

食べながら飲む

アルコールは空っぽの胃や腸には刺激が強いものです。また、空腹の状態に入ったお酒は、どんどん吸収されて肝臓に送りこまれ、肝臓の処理能力を超えると脳に直接入りこんで、速いペースで酔っ払ってしまいます。乾杯で飲むのは一口程度にし、後は食べながら飲むようにしましょう。

2. アルコールの吸収を遅らせるには、脂っこいものを

胃の中に食べ物が入っていれば、アルコールが小腸に降りるスピードが遅くなるため、長い時間かけて吸収させることができます。しかし、炭水化物などは胃の中にとどまる時間が短いため、あまり予防効果はないようです。
どちらかと言うと、脂っこいものがおすすめ。もちろんこれは、いつもより多めに飲む酒席での話です。脂っこいものの摂り過ぎは病気の原因にもなるので注意しましょう。

3. 「一気飲み」は絶対にダメ!

お酒のアルコールは肝臓で分解されますが、その処理能力を超えて飲んでしまうと分解が追いつかず、血液中にアルコールが残ってしまいます。この血中アルコール濃度が高くなり過ぎると、急性アルコール中毒などで死亡してしまうこともあります。一気飲みでそれこそ一気にアルコールを体内に入れるのは絶対にいけません。

4. 記憶が途切れるようになったら危険!

このような記憶障害が起こるときの血中アルコール濃度は0.16~0.30%。急性アルコール中毒の症状(血中アルコール濃度が0.41~0.50%超えると出る)直前までいっているわけです。なるべくならこうなる前に帰宅するよう、ペース配分を考えて飲むようにしましょう。

5. 暴力沙汰を引き起こすようなら、お酒は飲まないように

普段おとなしい人が陽気になる程度であれば大丈夫です。問題なのは、酔いが進むと怒り出したり暴力沙汰を引き起こしたり、わけのわからない行動をとるタイプ。このような状態を異常酩酊といいますが、有効な治療法がないのが現状です。ツラいことですが飲まないのが一番のようです。

普段の飲み方「万病のもと」チェック

解説

1. お酒は1日2合まで

適量を超えて飲酒を続けると、肝臓の病気や高血圧の原因になります。これらの病気予防のためには、日本酒に換算して1日1合以下、週2日はお酒を飲まない日を設けるのがよいと言われています。

2. 脂っこいものの摂り過ぎには注意

脂っこいものの摂り過ぎは、肥満や高脂血症、動脈硬化などの原因になります。日常的な晩酌であれば、夕食のおかずを食べながらゆっくり飲めば大丈夫。強いお酒なら薄めて飲むように心がけましょう。

3.「酒を飲むとよく眠れる」はウソ!

よく眠れるようにと寝酒を飲むのでしょうが逆効果です。少量のアルコールは興奮作用を引き起こし、飲酒初期には利尿を導いてしまいます。少量の酒で眠れるという人は特殊なタイプ。普通の人は、眠れずに酒量ばかりが増えてしまうようです。

4. 強いお酒は薄めて飲もう!

ウイスキーや焼酎など30%以上のアルコールは、食道や 胃に強烈な刺激を与え急性胃粘膜病変などで血を吐いたり、慢性的に続けると食道がんなどになる恐れもあります。できれば水割りなどで薄めて、またはチェーサー(追い水)を飲んで消化器官への刺激がないようにしましょう。
冷や酒は飲んだ感じがさっぱりしているので、ついつい量を過ごしがち。燗酒の方はおちょこでチビチビという飲み方なのでゆっくり楽しむことができます。この時期おすすめの飲み方です。

5. 常用している薬の説明書をよく読んで

病院で処方を受けている場合は、お酒と一緒に飲んでいいのかどうか確認しましょう。薬の種類によっては、体内(肝臓)でアルコールと一緒になるとうまく分解されず、高濃度のまま残ったり、作用が強く出過ぎるものがあります。例えば風邪薬に含まれる解熱剤のアセトアミフェノンなどです。
また、睡眠薬や精神安定剤など脳にはたらく薬もアルコールで脳が麻痺している状態で飲むと悪影響をもたらすので要チェックです。