運動といっても、フィットネスクラブに通わなきゃいけない、何かスポーツをしなきゃいけない、など大げさに考える必要はありません。まずは気軽に「歩く」ことから始めましょう。それだけでもずいぶん違ってきます。
運動を始める人が最初に陥る間違いは、そのやり方と量にあります。
最初から張り切りすぎると、運動障害を引き起こす危険があります。持病のある人や腰・ひざなどが痛い人は、必ず運動を始める前に専門医の指示をあおぎましょう。
「私は健康だ」という人でも、年1回は健康診断を受けて常に体調に気を配り、上の項目に当てはまるときには運動は休むようにします。
また、運動途中に呼吸困難、吐き気、頭痛、胸の痛み、めまい、ふらつき、よろめきなどの変調に気がついたら、すぐに中止しましょう。
さて、上の項目に当てはまるものがない、体調バッチリのあなた。
早速、できることから始めてみましょう。
忙しくて運動する時間がないという人でも、これならできるはず。今まで当たり前のように乗り物に頼っていた部分を、意識的に歩くようにするだけでも効果は大きいです。
駅やデパートで、階段とエスカレーターが並んでいた場合、いつもどっちを使いますか?
エスカレーターやエレベーターの誘惑を振り切り、階段を上り下りするように心がけましょう。ちなみに、階段を上ると3分間で22kcal消費したことになり、これは縄跳び2分ちょっとに相当します(カロリーは目安です)。
電車で通勤する人は、1つ手前の駅で降りて会社まで歩いてみます。
家から最寄駅までバスの人なら、駅まで歩くようにします。ちょっとそこまでタクシー!と手を上げる前に、10分15分のところなら思い直して歩いてみましょう。
時間的に余裕があるときだけでも「歩く」ようにします。
歩くのにはちょっと遠い、というときは、自転車で移動してみましょう。車やバスに乗るよりも健康的ですし、意外とひざへの負担も少なく、ひざ痛の治療と予防にもなります。
サイクリング車でなくても、普通の自転車で十分です。会社から2~3つ手前の駅の駐輪場に置いて、毎日の通勤に使う、ちょっと離れたスーパーまで自転車で往復するなど、仮に15分サイクリングすると、92kcalが消費されることになります。
もう少し本格的にやってみたいという人のために、強化したい体力別のおすすめトレーニング法をご紹介します。
なお、事故を防いで疲労を残さないためにも、運動前のウォーミングアップと運動後のクーリングダウンを忘れないようにしましょう。
スタミナをつけるなら、ウォーキングやジョギング、スイミング、サイクリングなどの有酸素運動が効果的です。そのなかでも、いつでもどこでも手軽にできるという点では、ウォーキングがおすすめ。ただ「歩く」という行為も、以下のことに気をつけるだけで、本格的なトレーニングになります。
テレビを見ながらでも自宅で手軽にできるウエイトトレーニングとして、ダンベル体操が有名です。
足を肩幅ぐらいに開き、両手にダンベルを持って肩に乗せるようにして、片方ずつまっすぐ上に押し上げるようにゆっくりと持ち上げます。
これを左右交互に10回ずつ行います。
足を肩幅ぐらいに開き、両手に持ったダンベルを水平に上げたり下げたりします。
10回行います。
ダンベルは重すぎず軽すぎないものを選び、物足りなくなってきたら500gぐらいずつ増やすようにしましょう。
ひとつの動作に最低4秒かけ、ゆっくりと呼吸を止めずに、そして使っている筋肉をしっかり意識しながら行うのがポイントです。
また、もっと簡単に行いたいなら、「ダンベルの代わりに、適当な重さの本や水を満たしたビンを使う」「立ったりしゃがんだりを繰り返す」「腕立て伏せやぶら下がりをする」のもいいでしょう。これだって、立派な筋力トレーニングとなります。
関節や筋肉を柔らかくするには、ストレッチングをするとよい。
足を肩幅の2倍に開いて立ちます。
両手を頭の上で組み、手のひらを外側に向け、両手をまっすぐ上に引っ張り上げて10秒静止します。真右にカラダを曲げ10秒静止します。
左も同様に行います。
足を前後に大きく開いて立ちます。
足先は前に向け、後ろの足のアキレス腱をゆっくりと伸ばしていきます。
ストレッチングで大切なポイントは次の4点です。